国土交通省は2015年12月30日に 「バスの車両火災事故防止の徹底について」と題する通達を発表しました。
年末に東京や長崎でバス火災が相次いだためですが、2015年(平成27年)1年間のバス火災事故は23件と11年ぶりに20件を超え、車両火災は増加しています。
国土交通省発行のメールマガジン、「事業用自動車安全通信」には、重大事故や報告事故の事例が毎回掲載されています。そのなかで、2015年1月以降に掲載された「車両火災」の事例を一覧表にしてみましたので、参考にしてください。
2015年1月から本年1月までの間に26件のバスの車両火災が報告されています。
(※表を見てわかるように、そのうち貸切バスが16件と多数を占めています)
2015年のバス火災では乗務員の判断・消火措置、避難誘導が正しく行われ、乗客や乗員が負傷した例はありませんが、バス等の車両火災は一つ間違うと大災害に結びつく恐れがあります。事業用自動車の事業所では、とくに車両の点検整備と防火対策、乗務員指導に取り組みましょう。
乗務員指導としては、発火時に備えて初期消火のための消火器設備の点検、取扱い方法の確認、乗客の避難誘導訓練なども実施しておくと安心です。
【続報──2016年2月19日更新】
国土交通省は、2月19日「事業用バス火災事故の防止の徹底について」と題してバス事業者に再度要請を行うとともに、平成23年から平成26年に発生したバス火災58件を分析し、「点検整備が不十分」(25件)、「整備作業ミス」(11件)が約6割を占めており、点検整備の徹底が重要な課題であると確認されたことを強調しています。58件の用途別分類では、保有車両あたりの発生件数でみると、貸切バスの火災が乗合バスの2.4倍となっています。
また、バスのスプリング式補助ブレーキを備えた車両の火災事故防止について指摘しています。
詳しくは 国土交通省のWEBサイトを参照。