本書は、運転の基本に立ち返る（原点回帰講習）ことで、構内事故やバック事故をゼロにするための指導者向けの実技講習ノートです。

　原点回帰講習とは、

1. 運転している車（寸法や死角等）を知る
2. 自分の車両感覚は当てにならない
3. 車は急に止まらない

をドライバ―に理解させることで、事故の軽減を図る講習方式です。

　構内事故やバック事故を防ぐには、運転するバスの寸法を正確に確認しておくことが大切です。

　まず、バスの車幅や車長、車高をドライバーに予想してもらい、記録してもらいます。

　その後、メジャーなどを活用して、正しいバスの車幅や車長、車高を計測し、ドライバ―の予測とのギャップを示します。

　このように、自身の予測と実際のズレを確認しながら、正しい車両感覚を身に付けてもらいます。

　その他、バス周辺の死角や、高所障害物の死角もドライバーの予想と実測のギャップを明確にすることによって、車両感覚を正しく理解することができ、自信を持ってバスの取り回しが出来るようになります。

　本書には、それぞれの項目にＱＲコードが掲載されています。

　同コードを読み取っていただくと、香里自動車教習所の安全運転管理支援チームが制作した講習動画を視聴することができます。

　こちらの動画を視聴いただき、実際に再現していただければ、どなたでもバス運転者に的確な指導をすることができます。

　本書の巻末には、添乗指導チェック表（例）が付属しており、指導すべき項目が網羅されているので、指導項目の見落としが起こりにくくなります。

　チェック表は、「不適切」～「きわめて適切」までの５段階評価になっており、全てが３点以上であれば「安全な運転を行える判断の目安」となります。

　こちらの表を活用すれば、横乗り指導教育者にとって心強いツールになります。