◆「あおり運転」をした加害運転者に
1億6500万円の賠償命令
──対向車線の親子死亡事故(秋田地裁)
秋田地裁は2010年7月16日、3年前に秋田県で若い親子2人が死亡した交通事故を巡り、遺族が加害者と運送会社に損害賠償を求めた訴訟に関して、ほぼ請求通りの計約1億6500万円の支払いを命じる判決を言い渡しました。
裁判官は「加害車がトンネル直前までの約11~12kmの間に先行車へ少なくとも3~5m接近し、さらに左右に進路を変える蛇行運転を10回ほど繰り返 し、「あおり運転の果てに無謀な追い越しに及んだ」と、遺族が訴えていた事実を認定しました。「危険極まりなく、到底許されない」として元運転者の男性 (38歳、 業務上過失致死傷罪で服役中)と運送会社に対して1億6500万円の損害賠償を命じました。
この事故は2007年2月1日、秋田県仙北市の国道トンネル入り口で発生しました。あおり運転を続けた後、前車を追い越そうと対向車線にはみ出した 10tトラックが、対向の軽乗用車と正面衝突し、軽乗用車運転の専門学校生(当時21)と長男(当時11か月)が死亡、妻(20)も重傷を負いました。
加害者の危険運転致死傷罪は適用されず、業務上過失致死傷罪で懲役3年10月の実刑判決を受けていますが、遺族は「あおり運転」の危険を認めさせるため、民事訴訟で提訴していました。
(2010年8月6日更新)