◆バス降車客に大けがを負わせた運転者に有罪判決
──東京地裁
降車した女性乗客(88)をひき、左足切断の事故を起こした東京都交通局の運転手に対して、東京地裁は2010年7月16日、禁錮1年2か月、執行猶予3年の有罪判決を言い渡しました。
裁判官は「バス停での安全確認という最も基本的な注意義務を怠り、強い非難に値するが、罪を認めて反省している」と量刑理由を述べました。
この事故は2009年9月13日午後6時55分ごろ、江東区のバス停で、運転者がサイドミラーでの確認を怠り、停車したバスから降車した女性が転倒したことに気づかないまま発進して発生しました。女性の左足をバスの左後輪でひき、女性はひざ下粉砕骨折のため手術を受けて左足を切断しました。
なお、都交通局ではこの事故の事実を公表していませんでしたが、公判に関連して今年7月15日に初めて公表、今後は死亡事故だけでなく重傷事故に関しても 「速やかに公表する方針」と発表しました。
また、バス運転者は有罪判決後の2010年8月2日に停職3か月の懲戒処分とされました(通常は失職だが「反省の態度がみられる」などとして例外規定を適用)。
(2010年8月16日更新)