類似の判例7(信号無視と危険運転致死傷罪)

◆赤信号の殊更無視で6人死傷事故
──懲役18年(名古屋高裁 2007年12月25日判決)


 愛知県春日井市で2006年2月、酒気帯び運転で赤信号交差点に入りタクシーに衝突して4人を死亡、2人にけがを負わせた元会社員(27)の控訴審判決です。

 一審の名古屋地裁は、「被告が赤信号を青信号と思い込んでいた可能性がある」として、業務上過失致死傷罪を適用し、懲役6年の判決でしたが、控訴審の裁判官は、事故現場の一つ手前交差点でも被告が赤信号を無視した点に着目し、「次の交差点で、信号表示に注意するのが普通。赤信号を意に介さず交差点に入った以外に考えられない」と指摘して、殊更無視による危険運転致死傷罪の成立を認め、懲役18年の判決を言い渡しました(求刑懲役20年)。

◆「殊更無視」は明確な赤信号認識は必要なしと判断
──懲役10年(最高裁 2008年10月16日判決)


 2007年2月に名古屋市内で赤信号を無視して走行し、横断中の歩行者を跳ねて死亡させた被告の最高裁における上告審判断です。
 被告の弁護側は「『殊更』とは、わざわざ故意に、という意味。被告に赤信号だという明確な認識はなく(法定刑の軽い)業務上過失致死罪の適用が相当」と訴えていましたが、最高裁第1小法廷は上告を棄却し、懲役10年の1、2審判決が確定しました。
 公判では、「赤信号を殊更に無視し、重大な危険を生じさせる速度で運転、人を死傷させた」という同罪の条文解釈が争点となりましたが、最高裁は「赤信号だという確定的な認識がない場合も、信号規制自体に従うつもりがなく、信号表示を意に介さずに進行する行為なら殊更無視に含まれる」という初判断を示しました。

赤信号の殊更無視と危険運転致死傷罪
最高裁2008年10月16日判決文より引用
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1月6日(月)

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