一時期、派遣労働者の事故の増加が問題となりました。最近は不況等の影響で製造業の派遣労働者が減少したことにより、平成21年以降、全国的な事故件数そのものは減っていますが、陸運業や倉庫業では、依然として事故が多発しているため、運送事業者向けに派遣労働者の安全管理研修を実施しているトラック協会もあります。
厚生労働省が発行する派遣労働者の安全衛生管理マニュアルによると、派遣労働者がフォークリフトやクレーン等の荷役機械などの運転資格を持っているかどうか、派遣先の運送事業者などが確認しないまま作業をさせて、事故を起こしている事例のあることが指摘されています。
その原因の一つとして、派遣先の事業所としては、派遣会社が当然フォークリフトなどの有資格者を送ってくれているものと思い込んでいることがあります。
派遣会社側に資格の有無を確認する責任があることは当然ですが、派遣を受ける事業所も、自らの責任で派遣労働者の資格をあらかじめ確認するとともに、無資格者が就業制限業務に就くことのないよう管理しなければなりません。
事業所では、あらかじめ派遣労働者に行なわせる業務に関して、どのような資格が必要かを確認するとともに、就労前に以下のような免許証、技能講習修了証又は技能講習修了証明書などにより資格の有無を確認することが必要です。
また、フォークリフト、天井クレーンなどの機械は、メーカー、機種、製造年月等の違いにより運転・操作の方法がかなり異なる場合もありますので、派遣労 働者の技能レベル程度を確認するとともに、必要な場合には社内の担当技術者等による特別指導を行うことも必要です。
◯中型・大型自動車運転免許証
◯クレーン・デリック運転士免許証
◯移動式クレーン運転士免許証
◯小型移動式クレーン運転技能講習修了証
◯フォークリフト運転技能講習修了証
◯玉掛け技能講習修了証
※「派遣労働者の安全衛生管理」について詳しくは、厚生労働省のWebサイトを参照してください。