◆若者の死傷者は減少傾向、高齢者は依然高水準
警察庁は、平成22年中の交通事故発生状況(死亡事故を含む人身事故全体)についての分析をまとめ、2月28日に発表しました。
既報のように、交通事故死者数は4,863人、発生件数は72万5,773件、負傷者数は89万6,208人でいずれも前年より減少しましたが、年齢層別みると若者の死傷者数は減少傾向にあるものの、高齢者は依然高水準にあることなどが明らかになっています。
若者の負傷者数は、平成12年をピークに減少(平成12年の0.55倍)する一方、高齢者(65歳以上)の負傷者数は、65歳以上及び75歳以上のいずれもが緩やかに増加する傾向(それぞれ平成12年の1.1倍及び1.3倍)と高い水準にあります。
◆高齢者の負傷者数は平成12年の1.1倍~1.3倍
平成22年中の交通事故死者数は高齢者が半数を占めましたが、負傷者数を年齢層別にみると、30歳代(構成率19.0%)が最も多く、次いで16~24歳の若者(同16.2%)、40歳代(同15.4%)の順となっています。
前年と比較すると、40歳代及び60~64歳を除くすべての年齢層で減少し、その中でも若者(前年比-5,672人、-3.8%)が最も減少しています。
◆シートベルト非着用の致死率が高い
自動車乗車中のシートベルト(チャイルドシートを含む)着用有無別の致死率をみると、非着用者の致死率は着用者の0.16%に対して13倍以上の2.17%となっています。
座席位置別にみると、運転席が52.9倍、助手席が14.3倍、後部座席が3.4倍となっています。
また、自動車乗車中に車外放出された場合の致死率は、自動車乗車中全体が0.29%であるのに対して113.4倍の32.88%となっています。
自動車乗車中死者のうち、シートベルト着用者が車外放出された割合は0.5%であるのに対し、非着用者が車外放出になった割合は31倍の15.5%ですから、シートベルトを着用しないと車外に放出され死亡する危険性が非常に高くなることがわかります。
逆に見れば、シートベルトを着用していれば、車外放出の危険性が低くなり、放出された場合でも致死率が相対的に低く、被害程度が軽減されることを示しています。
このほか、「年齢層別・状態別死傷者の状況」「交通事故の状況と特徴──第1当事者別等」「高速道路における交通事故発生状況」などが計48ページの分析資料にまとめられ、PDFファイルまたはエクセルファイルによって警察庁のホームページからダウンロードできます。
詳しくは同庁のWEBサイトをご覧ください。