4月から新入社員を迎えた事業所も多いことでしょうが、研修時に交通安全指導を実施するときに押さえておきたい点の一つは、故障や事故発生時など緊急時の措置をしっかり教えておくことです。
新入社員のほとんどは、事故やトラブルのとき、どのような措置をすればよいか知らないので、基本的なことからきちんと指導しておきましょう。
とくに、高速道路でのトラブルに関しては注意が必要です。
最近、パンク等のため高速道路の路肩に車を止めて修理をしていた乗員などが、後続車にはねられて死亡する事故が多発しているからです。
こうした事故の要因としては、
・ハザードランプを点けず、停止表示器材も置かずに停止している
・車の中に乗員が残っていたり、車の近くの路上で修理を見ている
・車の前後に立って、後続車を見ないで携帯電話をかけている
・橋の上など、ガードレールがなく道路外に退避できない場所で停止している
といったことが挙げられます。
高速道路で故障などが発生した場合は以下の点を守ることが大切です。
・慌てて停止せずにハザードランプを点灯して、ノロノロ運転でもいいので、可能なかぎり惰力走行する
・非常駐車帯等を探すか、できればSA・PAまで惰力走行して故障に対処する
・事故やガス欠等でやむを得ず現場の路肩に停止する場合、発炎筒や停止表示器材で後続車に危険を知らせる
・高速道路の非常電話か携帯電話で110番通報し、必ず救援依頼をする
・路肩でパンク修理をせずに、後続車に注意しながらガードレール等の外に退避して、救援を待つ
なお、タイヤから火が出ているような場合は、木の茂った路肩に不用意に停止すると山火事などを誘発する恐れもありますので、停止する場所は慎重に選ぶ必要があります。
また、研修時に教育するだけでなく、実際の緊急時に役立つように、トラブル発生時の基本措置をカードなどに明記しておきましょう。
カードは、全社有車のダッシュボードに設置しておくとともに、コンパクトな情報にして社員手帳などにも掲載しておきます。
これらのカードを新入社員教育に使用し、トラブル発生時にはダッシュボードを開けて確認するように意識づけることが大切です。