新年度を迎え、新入社員など新たなスタッフが入ってきます。事故防止に関しても新たな活動を実施していくチャンスです。毎日あるいは毎月継続して行う活動、年間を通して取り組む新たな目標などを掲げて、事故防止意識を高めましょう。
ある自動車ディーラーK社では、新年度を機に「事故・違反・作業ミスゼロ」「全員のSDカード取得」を目標に掲げ、自動車安全運転センターに対して全従業員の運転記録証明書の申請を行いました。
これから毎年、マイカー通勤登録、免許証登録の機会にSDカードも更新していく方針です。証明書の一括交付に伴い、従業員に携帯電話使用の違反率が高いことや 年齢層別にみた違反・事故の傾向が分かる分析資料、同業者との違反率の比較検討資料などを入手できましたので、営業所ごとの事故・違反の削減目標も設定しました。
毎日継続して行う新たな活動としては、朝礼時の「今日の安全スローガン」の唱和、営業所の所長やマネージャー等による朝の「声かけ見送り運動」、帰社後の無事故無違反チェックシートの色塗り(各自で行う)などの実施を決めました。
また、毎月行う活動として各事業所ごとに安全対策会議を開催し、運転ミス(事故・構内接触)・作業ミスの件数を報告し、構内接触事故の事例等を題材に取り上げて、営業所の再発防止策を考えるようにします。
また、営業所ごとに毎月ミス等による損失額を計上して売上額からマイナスし、交通関係のミスが社内でのマイナス評価に結びつくことを意識づけるようにしました。
これらの管理強化と並行して、SDカード取得率などを元に、年間で優良ドライバー・優良営業所の選定を行い、来年度の交通安全運動時に表彰を行うことも決めています。
※SDカードの申請→ 自動車安全運転センターのWEBサイトを参照
◆重点推進項目
・アルコール検知の実施
──事業用自動車では、平成23年4月1日(※)から検知器による点呼時酒気帯びチェックと中間点呼を含めた検知結果の記録が義務づけられる。事業所における乗務前・乗務後の点呼時だけでなく、出先での電話点呼でも検知器使用が求められるので、携帯型や車載型チェッカーの配備も確認しておく。また、検知結果の記録が必須となったことに伴い、点呼簿にも「アルコール検知器の使用の有無欄」を設けておく。
※東北地方太平洋沖地震の影響により、実施日は4月1日から5月1日に延期されました。 → 国土交通省のWEBサイトを参照
・飲酒習慣の自己管理を徹底
──前夜の残酒で検知器が反応する例が多く、飲酒後8時間以上あけてもその日の体調によってアルコールが残る例がある。とくに休み明けの残酒が目立つので、ドライバーの自己コントロールを促し、飲酒量の自己管理を徹底するよう指導していく。
・新入社員に対する安全運転教育
──企業の社会的責任として事故防止に取り組んでいることや、従業員の安全を守る姿勢を強調する。また、新入社員を中心に20歳代の経験の浅い運転者の事故が多いことや、どのようなパターンの事故が多いかを具体的に説明し、注意を促す。
・休暇前の交通安全指導
──連休等の前には、職場ごとに役職者からの安全運転指導を行う。ドライブ旅行などは届出制にして、高速道路等における安全について注意喚起をしよう。故障などのため路肩で作業をしていて被害にあう事故も多いので、出発前の点検の重要性にも言及する。
また、バーベキュー、花見などでの飲酒運転防止対策として、飲酒運転根絶の誓約書などを取って、酒気帯び運転でも厳しい社会的制裁を受けることなども再認識させておく。
◆4月の管理ごよみ(2011年/平成23年)
1日(金)~
30日(土) |
・未成年者飲酒防止強調月間(国税庁) ──未成年者の飲酒防止を徹底するため、PRポスターや各種媒体を通じて、集中的に広報が行われる(国税庁のWEBサイトを参照) |
1日(金) |
・アルコール検知器によるチェック義務スタート/検知器未設置等に対する行政処分を施行(国土交通省) ※東北地方太平洋沖地震の影響により、実施日を5月1日からに延期/国土交通省が3月25日に発表 ──自動車運送事業の監査方針及び行政処分基準等の改正(国土交通省のWEBサイトを参照 → 義務化 → 処分 → 延期) ・自賠責保険料値上げ/平成23年4月1日以降の保険開始分より ──24か月分での値上がり額は、軽自動車2,990円増/普通乗用車2,480円増/小型貨物車1,940円増/2輪(250㏄超)710円増 |
4日(月) |
・交通反戦デー ──1981年の東京都の「交通遺児を励ます会」が大会を開いて制定した。「四(死) 四(死)を返上しよう」という語呂合わせと児童や生徒も参加できる春休み期間中であることから、交通戦争について考えようと呼びかけている。 |
7日(木) | ・世界保健デー |
8日(金) |
・タイヤの日 ──日本自動車タイヤ協会が制定。ドライバーにタイヤへの関心を高め、交通安全対策の推進活動を行なっている(タイヤ協会のWEBサイトを参照)。 |
10日(日) |
・法テラスの日 ──法的トラブル解決のための「総合案内所」として設立された日本司法支援センター(愛称:法テラス)の設立記念日。10日前後に無料法律相談会や業務時間を延長した情報提供などが全国で実施される(法テラスのWEBサイトを参照)。 |
12日(火) |
・4月の製品安全点検日 ──経済産業省は、毎月第二火曜日を「製品安全点検日」として、製品の安全な使用法やリコール製品等について情報提供・注意喚起を行っている。 |
18日(月)~ 24日(日) |
・科学技術週間 |
20日(水) |
・穀雨 ──24節気の一つ。田畑の準備が整う頃、それに合わせて穀物の成長を助ける春雨の降る時期 |
23日(土) |
【下記シンポジウムは東北地方太平洋沖地震の影響で延期となりました。今後の予定は同協議会ホームページを参照してください】
・第8回交通科学シンポジウム(主催・(社)日本交通科学協議会) 東京都千代田区駿河台1-8-14 テーマ:「自動車運転・薬の影響を考える」 |
29日(金) |
・昭和の日 |
4月の税務 |
・軽自動車税の賦課期日──4月1日 ──納付期限は市町村条例で定める日(4月30日までと5月31日の自治体がある) ※東北地方太平洋沖地震で被災された方に対しては市町村税等の減免措置が実施されますので、自治体に相談しましょう。 |
4月上旬 | ・事故防止対策支援推進事業等の申請受付開始── A S V のの導入支援から開始(国土交通省) |
4月中旬 |
・平成23年3月末交通事故発生状況の発表(警察庁) ・平成23年度 全国安全週間スローガン・実施要項の発表(厚生労働省) |
4月下旬 |
・平成22年中労働災害動向調査結果の概況(厚生労働省) ・平成23年度貨物自動車運送事業安全性評価事業の申請書類の配布(都道府県トラック協会) |
◆4月の日没時間 (国立天文台天文情報センターによる)
1日(金) | 福岡 18:38 | 大阪 18:19 | 東京 18:02 |
15日(金) | 福岡 18:49 | 大阪 18:30 | 東京 18:14 |
30日(土) | 福岡 19:00 | 大阪 18:42 | 東京 18:26 |