警察庁は2010年9月から、飲酒運転により免許取消処分を受けた違反者に対する新たな取消処分者講習のモデル事業を「神奈川・愛知・大阪・愛媛」の4府県警察で実施してきました。
モデル講習では、2日間の講習に30日の間隔を空け、1日目には呼気検査やアルコール依存症検査(AUDIT)、カウンセリングなどを導入、30日の待機期間では、飲酒量や飲酒状況など飲酒習慣を反省する飲酒・生活日記の記入などを指導するものでです。
このたび、同庁は講習の成果とアンケート調査などをホームページ上で公表しました。
モデル講習は計75回行なわれ、飲酒運転による処分者454名(男性423名・女性31名)が参加しました。AUDIT検査の結果は、0~7点(危険の少ない飲酒) 137名(約30%)、8~14点(危険の高い飲酒) 186名(約41%)、15~40点(アルコール依存症の疑い)131名(約29%)でした。
検証の一環として実施されたアンケート調査では、「講習を受けている間の飲酒量が減少した」という人が75%近くにのぼっています。
また、新しい講習と従来の講習の比較では、「新しい講習の方が良い」は158名で全体の35.1%、「今までの講習の方が良い」が26名(5.8%)、「どちらかわからない」90名(20.0%)という結果でした。残りは、「今までの講習を受けたことがないのでわからない」176名(39.1%)となっています。
アンケートの自由記載欄では、「お酒との付き合い方を見直すきっかけができた」、「ワークブックの日記を書いたことで、飲酒に対する意識が働き、飲酒を抑制する良い機会となった」などの肯定的な評価がある一方で、「1か月(の日記期間)は長い」等の意見もみられました。
警察庁では、モデル事業を終了後1年間の再犯率調査を行い、その結果を踏まえて、カリキュラムを確定し、平成25年度をめどに酒気帯び運転等の違反者に対する新しい飲酒取消者講習を全国的に実施する方針です。
これに先立ち、準備の整った16府県警察で、今年6月から飲酒取消講習の試行実施を実施します。
講習結果などについて、詳しくは警察庁のWEBサイトを参照してください。
(※なお、このモデル講習については、下記のリンクも参照)。
・過去の交通安全ニュース(当サイト)2010.8 → 新たな処分者講習を開始