9月は、秋の全国交通安全運動が21日から実施されます。
交通安全運動については交通安全ニュースでも紹介したように、運動の基本テーマは「子どもと高齢者(65歳以上)の交通事故防止」で、特に夕暮時の歩行者・自転車の被害を防ぐことが重点推進項目の一つに挙がっています。
・秋口は日没時間が急激に早まります!
最近の交通事故の傾向をみれば明らかですが、死亡事故被害者の半数近くが65歳以上の高齢者であり(上半期の統計では48.7%)、歩行者だけでなく自転車乗用中の被害も多発しています。
運動の重点でも呼びかけているように、秋口は日没が急激に早まるので(※)、早目の点灯で自車を目立たせることに努めましょう。
(※9月の日没時刻は8月の同日よりほぼ40分早まります。下を参照)
・自車を早く発見してもらおう!
高齢者は、視力や聴力の衰えから、自動車の接近に気づきにくくなっていますので、ドライバーから見たら明らかに危険であると思えるようなタイミングでも、車を確認できずに横断してくるケースがあります。しかし、点灯している車は、高齢者からも発見されやすいでしょう。
また、点灯を早めることは、ドライバー自身の危険意識を高めることにもつながります。夕方が近づいても、まだ空が明るいのでよく見えると感じがちですが、実際には、真昼と比べると路地の奥や駐車車両の陰などはかなり見えにくくなっています。
一方で歩行者や自転車は夕方から急に増加しますから、危険が高まっています。このことを自覚する意味でも、意識的に早目の点灯に努めることです。
交通事故総合分析センター(ITARDA)の調査では、高齢歩行者の死亡事故は夜間が昼間の1.8倍と多発していますが、夜間といっても17時台から19時台の3時間内に過半数(53.9%)が発生しています。つまり薄暮から夕方が非常に危険な時間帯です。
【すべての安全運転管理担当者の皆さんへ】
・秋の全国交通安全運動に参加
秋の全国交通安全運動が21日から実施されます。期間中に地域の交通安全イベントに参加する場合は、安全運転管理の担当者だけでなく、事業所の若いドライバーなど、今まで運動を経験していない人が参加する機会を設けましょう。
また、期間中に安全運転を啓蒙する冊子を配布したり、講習会を開き警察官の講話や交通安全ビデオを視聴させる事業所も多いと思いますが、必ず、実施後にはアンケートを実施して、反応や理解度をチェックしておきましょう。
安全運転実践目標などがはっきりしている事業所では、自己管理チェック表なども作成してみましょう。
・労働衛生管理の継続的改善を
今月は、10月に実施される全国労動衛生週間の準備期間です。安全衛生の基本方針に沿って安全活動や健康増進指導の計画があるでしょうが、実態はどうでしょうか。今月はPDCAのサイクルのなかで、もっとも重要な「C=Check」を行う期間と言えます。 職場や協力企業へのパトロールを行い、ドライバーや作業者へのヒアリング等を通じて、現場の管理能力を評価し、改善していきましょう。
春に購入したアルコールチェッカーを実際には使用していない事業所はないか、免許証のチェックを怠っている管理者はいないか、といったこともチェックしておきましょう。
・睡眠は心の健康チェックポイントの一つ
また、過重労働による健康障害やメンタルヘルス不調などの健康問題が重要な課題となっていることを意識しましょう。酷暑の夏を経て、この時期は心身とも疲れています。管理者は、心の不調に早く気づくことが大切です。
睡眠障害がきっかけとなって、うつ病などが始まったり、自殺に結びつくこともありますので、「最近、よく眠れない」「寝不足で……」といった相談には、産業医などと連携して早目に対処することが大切です。
・台風等異常気象時の運行体制再点検
台風シーズンの到来に備え、強風・豪雨時の運行体制を見直しましょう。気象情報に基づく運行の中断・中止や迂回路などの指示を的確に行えるか、確認しましょう。
強風・高波で車が横転する事故も発生していますので、海岸・高架道路などの走行にも注意が必要です。
また、最近は局地的ゲリラ豪雨による道路冠水が頻発しています。アンダーパス箇所への不用意な侵入に注意を促すとともに、自治体のホームページにアクセスしてハザードマップを更新しておきましょう。
・熱中症予防対策の継続
9月も残暑が厳しく、最高気温が猛暑日(35℃以上)を記録する日があり、また、気温が30℃未満でも湿度が高まると危険があります。引き続き、作業・ 荷卸・運転時の熱中症予防を呼びかけましょう。昨年の7月~9月の全国の熱中症による搬送者は5万3千人に及び、このうち9月も7千6百人以上にのぼって います。
【事業用自動車の運行管理者の皆さんへ】
・大型自動車の重点点検の実施
9月1日から自動車点検整備推進運動が始まります。この運動はすべての自動車ユーザーが対象ですが、とくに大型バスを運行するバス事業者や50台以上のトラックを使用する運送事業者は、大型自動車の重点点検を行い報告するよう地方運輸局から注意喚起が行なわれます。
重点点検実施項目は、以下のような項目です。
★燃料漏れの有無
★タイヤホイールナット、ボルトの緩み・損傷
★ブレーキホース・パイプの漏れ・損傷
★電気配線接続部の緩み、損傷
★非常トビラの機能(バスのみ)
★ターボチャージャーのタービン回転具合等(バスのみ)
対象事業者以外でも、この機会に点検・整備の徹底を図りましょう。
・酒気帯びチェックの徹底
飲酒運転の根絶は、国民全体の課題ですが、特に事業用自動車においては、今年5月から点呼時のアルコールチェックが義務づけられ、その徹底が図られています。施行後5か月を迎え、取締り・指導が厳しくなると予測されます。交通安全運動の機会に出庫時や中間点呼でのチェックの実態を調査しておきましょう。
8月30日(火)~ 5日(月) |
・防災週間──9月1日の「防災の日」を中心とする1週間の運動。災害に対する備えや心がけ、避難方法の周知などを確認します。 |
1日(木) |
・防災の日──関東大震災を教訓とし、防災意識を高めるために1960年(昭和35年)に制定。 |
1日(木)~
30日(金) |
・「全国労働衛生週間準備期間」 (※労働衛生週間=10月1日から7日まで=のスローガンは、「見逃すな心とからだのSOS みんなでつくる健康職場」。 ※詳しくは、中災防のホームページを参照してください。 |
1日(木)~ 30日(金) |
・「自賠責制度PR期間」──国土交通省、内閣府などが主唱。自賠責保険・共済の重要性について、広報。 |
1日~10月
31日(金) |
・自動車点検整備推進運動強化月間 ── 「しっかり、点検。うまれる、安心」/毎年9月、10月の2ヶ月間、国土交通省は点検・整備の重要性を呼びかけています。 |
2日(金)~ 3日(土) |
【下記セミナーは台風12号の影響により中止となりました】 ・第40回交通安全夏期大学セミナー/於・日本大学理工学部駿河台校舎──(社)日本交通科学協議会主催、詳しくは、同協議会のホームページを参照してください。 |
4日(日)~ 10日(土) |
・救急医療週間──救急の日をはさみ、救急医療を啓蒙する各種活動を展開 |
8日(木) | ・白露──二十四節気の一つ。大気が冷えてきて、露ができ始めるころ。 |
9日(金) | ・救急の日──救急医療の大切さを理解してもらうため設けられた。 |
10日(土)~ 16日(金) |
・自殺予防週間──中高年男性を主な対象として、不眠やうつの気づきのサインとして、医療機関等への受診を勧奨する「睡眠キャンペーン」等を実施。 |
12日(月) | ・中秋の名月──旧暦8月15日 |
13日(火) |
・製品安全点検日 ──毎週、第2火曜日は、火二(ひに)注意/経済産業省 |
17日(土) |
・台風到来の特異日──統計上、台風が日本列島に上陸する回数が多い日。 |
19日(月) |
・敬老の日(祝日) |
20日(火) |
・バスの日── 1903年(明治36年)のこの日、京都市で日本で初めてバス会社が本格的な営業を開始したことに由来。 |
21日(水)~
30日 |
・秋の全国交通安全運動 |
23日(金) | ・秋分の日(彼岸中日) |
26日(月) | ・台風到来の特異日 |
30日(金) |
・交通事故死ゼロを目指す日 |
30日(金) |
・クレーンの日─ 1980年、9月30日にクレーン等安全規則を公布したことを記念したクレーン協会等が制定。 ※平成23年度の『クレーンの日』スローガンは「正しい点検 確かな作業 みんなで築くクレーンの安全」 詳しくは、同協会のホームページを参照して下さい。
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30日(金) |
・交通安全年間スローガン(標語)の募集締切り |
9月中旬 | ・平成23年8月末における交通事故発生状況公表(警察庁) |
9月下旬 |
・平成23年8月末の労働災害速報(陸上貨物運送事業労働災害防止協会)
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9月の日没時刻 (国立天文台天文情報センターによる)
1日(木) | 福岡 18:45 | 大阪 18:26 | 東京 18:10 |
15日(木) | 福岡 18:26 | 大阪 18:06 | 東京 17:49 |
30日(金) | 福岡 18:05 | 大阪 17:45 | 東京 17:28 |