皆さんの提出してくれたヒヤリ・ハット体験などを読んでいると、「こちらが優先なのに、自転車が止まらず出てきてびっくりした」「直進優先なのに強引に右折された」などという話題が多いですね。
皆さんは「優先関係を無視されるかも……」と危険を予測しているので、事無きを得ていますが、日本の道路では、相手側の道路に一時停止の標識などがあっても、「絶対に優先」はないと思って運転しましょう。
というのは、自分が優先側の道路を走行していて車同士の出会い頭事故が発生したとき、損害賠償実務では20%の過失責任が発生するのが基本だからです。相手が四輪車ではなく二輪車の場合は車側が35%、相手が自転車の場合は60%にもなります。いったい、どちらが優先道路かわかりませんが、これが現実なのです。
もちろん一時停止場所にも例外があり、それは踏切と歩道です。踏切の場合、一時停止を無視して車が線路に立ち入り列車と衝突した場合は100%車側の責任で、列車側に過失責任は発生しません。また、歩道を横切って道路外に出るとき、一時停止しないで歩行者とぶつかった場合は、100%車の責任です。レール上の列車と歩道上の歩行者は絶対優先です。
ですから、自分が一時停止側にいるときは、確実に止まって安全確認をしましょう。逆に、自分が優先側にいたら、「絶対優先」はないと思ってやはり安全確認をしましょう。
(2011.11.9更新)
「もらい事故でもこれだけの過失がある」は、たとえ「もらい事故」でも過失が発生し、高額の損害賠償が生じた判例を紹介しています。
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