2月は寒気が本州全体に南下し、日本海側はもちろん雪の少ない地域でも降雪・積雪を見る機会が多くなります。積雪・凍結などにより、スリップ事故が起こりやすい時期です。
昨年の冬は、凍結によりスリップしたトラックや、突然の大雪で坂を登れなくなった車などが道路を塞いだために、大渋滞が発生し、道路上で一夜を明かすといったケースも目立ちました。
気象予報の情報や、運行先における道路の降雪状況、渋滞情報などを迅速につかんで、ドライバーに指示するなど、適切な管理を行いましょう。
・スタッドレスタイヤでも滑ります!
スタッドレスタイヤなど冬用タイヤを装着しているから安心しているドライバーも多いと思いますが、油断は禁物です。
栃木県警が2010年2月に行った調査では、県内で発生したスリップ事故458件のうち、293件はスタッドレスタイヤなどを装着した車で、県警では「滑り止め対策を取っているという過信も事故を生んでいる」と分析しています。
スタッドレスタイヤを装着していても、スピードを出したり、少し強めのブレーキを踏めばスリップするという意識で運転するように指導しましょう。
・降雨後の凍結にも警戒
2月は朝晩の気温が急激に下がり、曇りがちで日照時間も短いので、雪のない地域でも路面凍結に対する危険予測が重要です。
雨が降った日の翌朝や、雨上がりの夜間などは気が付かないうちに路面が凍結していることがあります。
山間部を通勤しているドライバーなどは経験があるため、凍結を予測し車間距離を取ってカーブや橋の上で運転操作をしないなど、慎重な運転を行なっていますが、初めて冬道を通勤する従業員がいる場合は注意しましょう。
また、夜間は、昼間以上に時間に余裕を持って走行するよう指導してください。
・スリップ事故、通行止め情報の周知徹底を
昨冬は、異常な降雪で大型車がスリップ、福島県内国道49号、鳥取県内国道9号、福井県内国道8号などで長時間にわたって多数の車両が道路上で立ち往生する事態が発生しました。
運行先の気象情報や道路渋滞情報をこまめにドライバーに伝達し、出発時間を繰り上げたり、思いきって運行を中止するなど、早目の判断・対処を心がけてください。
道路管理者・警察の方針では、多数車両の流入による大渋滞を防ぐため、今年は大型車の立ち往生などが発生した場合、国道などの迅速な通行止めが実施される見込みです。
情報収集の精度をより高めて、ドライバーへの早めの経路変更連絡が必要です。
なお、天候が悪化しそうな気配が見られたら、ドライバーの経験に応じた慎重な経路の判断をしましょう。
運転経験の浅いドライバーには、アップダウンやカーブの多いルート、融雪施設のない道路などを指示しないで、少し遠回りでも安全な幹線道路を選択させる配慮が必要です。
【すべての安全運転管理担当者の皆さんへ】
・凍結転倒事故の防止
運転中だけでなく倉庫、駐車場、玄関などでも凍結による転倒事故などが発生するので注意する。滑りやすい場所に事前に除雪剤を散布する、転倒防止マットを敷くなど、事故防止に配慮する。
石川県労働局の過去3年間の転倒災害分析(178件)では、約66%が-2℃より低い日に発生しており、休業程度は1か月以上が約67%と重傷災害が多い。転倒時の作業内容別分析では、最も多かったのが駐車場から職場への移動中(約33%)であり、駐車場内や駐車場と職場間の通路が凍結して転倒したという事例が多かった。
なお、除雪、荷物の積卸しなどを含めた自社構内での災害件数は139件=約78%=となっている(駐車場から移動を含む)。残りは主に新聞配達時の転倒事故。
・省エネルギー月間の取り組み
省エネ月間の機会をとらえてエコドライブコンテストなどを実施し、意識を高めよう。エコドライブは、毎回の給油時に燃費計算をさせてそれをノートに記録させるだけでも、ドライバーの省エネ運転意識を促して効果がある。
燃費の優秀なドライバーにエコドライブの秘訣などを発表させて、グループで燃費改善に取り組むと持続しやすい。
・花粉症薬の服用を指導
早い年は2月からスギ花粉などの飛散によるアレルギー鼻炎、結膜炎が発症する。アレルギー週間の機会には啓発イベントが各地で実施されるので、情報を集めよう。
一部の鼻炎薬等に含まれる抗ヒスタミン剤の副作用(眠気、注意力の低下)が運転に危険を及ぼすことを指摘し、既往のある者へは、発症前の耳鼻科通院による予防治療に力をいれる。
・車の登録、検査事務の調査と更新
年度末に向けて、社有車の検査、新車登録事務が必要かどうか早目に調査し、2月中に手配・実施しておく。3月は例年、運輸支局の検査・登録窓口が混雑を極めて非常に時間がかかる。
検査予約はインターネットでも可能となっている。
なお、大震災被災地で自動車・二輪車が「海水に浸かり使えなくなった」「車庫がつぶれて車体が壊れた」「津波で流された」などの事情により永久抹消登録などの手続きを行った場合は、自動車重量税が還付されるが、これは平成25年3月31日までに還付申請を行えばよい。
【事業用自動車の運行管理者の皆さんへ】
・運輸安全マネジメントに関する情報公開等
平成23年度の運輸安全マネジメントに関係する情報を公開するための準備を行う。事業用自動車の事故件数(類型別件数)、安全目標の達成状況、輸送の安全に係る処分の内容と防止対策などを整理しておく。
社内的には、PDCAサイクルを踏まえて、ドライバーに対する指導・監督の実施内容と目標の達成状況、業務の改善内容などについて確認し、評価を行って発表する。
特に事故の態様やヒヤリ・ハット体験の特徴に応じた指導ができたかどうか、監査等で胸をはって対応できる活動ができたかどうかを重視し、改善すべき点を明確にしよう。
1日(水) ~29日(水) |
・省エネルギー月間──政府は、暖房や給湯で電気や石油などのエネルギー消費量が増える2月を「省エネルギー月間」と定め、省エネルギーの推進を呼びかけています。 |
1日(水) ~ |
・平成24年度「全国安全週間 スローガン募集」 (厚生労働省労働基準局安全衛生部) |
1日(水) ~3日(金) |
・ENEX2012-第36回地球環境とエネルギーの調和展── (主催:財団法人省エネルギーセンター/於:東京ビッグサイト・西展示ホール)──省エネ・新エネルギーに関する先端技術や情報の紹介。エコドライブコーナー、低公害車等の出展もあり |
3日(金) | ・節分 |
4日(土) |
・立春 |
11日(土) |
・建国記念の日 |
14日(火) | ・聖バレンタインデー |
14日(火) |
・2月の製品安全点検日──経済産業省は、毎月第二火曜日を「製品安全点検日」として、製品の安全な使用法やリコール製品等について情報提供・注意喚起を行っている。 |
14日(火) ~17日(金) |
・産業安全対策シンポジウム(東京都港区・三田NNホール) ──~いまこそ、安全を見直すとき~ /前半の2日間は「東日本大震災の教訓と危機管理」、後半の2日間は「現場の意識・行動を考慮した安全教育、現場力を高める実践的リスクアセスメントなど」。※詳しくは、(社)日本能率協会のWEBサイトを参照してください。 |
17日(金) ~23日(木)
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・アレルギー週間──(財)日本アレルギー協会が東京でのアレルギー週間中央講演会をはじめ、全国の支部で一般市民を対象に様々な啓蒙的催しを開催する。 |
19日(日) |
・雨水 |
20日(月) |
・アレルギーの日──1995年のこの日、石坂公成・照子医師夫妻がIgE抗体を発見し、米国アレルギー学会で発表したのを記念して日本アレルギー協会が制定した。 |
2月上旬 |
・「平成24年 春の全国交通安全運動実施要項」の発表 |
・平成23年1~12月の業種別労動災害発生状況(厚生労働省) |
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2月下旬 |
・平成23年中の交通事故発生状況(警察庁) |
・平成23年賃金構造基本統計調査結果=賃金センサスの発表 (厚生労働省) |
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・平成22年度分 自動車輸送統計調査の発表(国土交通省) ・平成23年11月分 トラック輸送情報(国土交通省) |
◆2月の日没時間(国立天文台天文情報センターによる)
1日(水) | 福岡 17:49 | 大阪 17:26 | 東京 17:08 |
15日(水) | 福岡 18:02 | 大阪 17:40 | 東京 17:22 |
29日(水) | 福岡 18:14 | 大阪 17:53 | 東京 17:35 |
5時すぎ~6時には日没です。まだ明るいと思っても、
4時から4時半には、ライトの点灯を!