◆トラックの追突事故防止マニュアルを策定
国土交通省はさる3月30日、事業用自動車が関係した交通事故の要因分析報告書(平成23年度版)を公表しました。同省では、毎年、識者を交えた検討会で事業用自動車の事故の背景分析を行うとともに、再発防止策を提言しています。
今年度は、分冊として「トラックの追突事故を防止マニュアル」(経営者向け/現場の運行管理者向け/運転者向けなど)を作成して公表したほか、社会的影響の大きかった重大事故10事例に関しては、図入りの詳細な事故分析を添付しています。
同省の平成23年度検討会においては、事業用トラック事故件数のうち、約半数が追突事故により占められている状況を踏まえてトラック追突事故の課題と対策について集中的に分析しました。
この分析では、わき見運転や反応の遅れなど運転者面の直接の要因だけでなく、その背景に潜む運行管理面の要因にさかのぼり、居眠運転防止を含んだ追突事故防止に効果的と思われる対策を選定しています。
◆事業用トラックの死亡事故トップは追突
平成22 年中に発生した事業用貨物自動車の事故分析では、追突事故が52%でトップを占め、死亡事故でも37%ともっとも多い事故類型です。自家用貨物自動車の場合は、出会い頭事故が死亡事故全体の38%を占め、追突による死亡事は11%程度ですから、事業用自動車の追突事故が目立って多いことがわかります。
◆タクシー・バス・トラックの別に重大事故を分析
「社会的な影響の大きかった重大事故事例の分析」では、
・乗合バスが前進中に直前横断者を轢過した事故
・乗合バスでの降車客の車外転倒事故
・運転者のくも膜下出血により貸切バスが転落した事故
・タクシーが交差点内で追い越し中に前方横断者に衝突した事故
・タクシーが乗客との会話に夢中になり交差点で乗用車と衝突した事故
・タクシーが道路横断者に衝突した事故
・普通トラックが高速道路で居眠り運転により追突した事故
・トラックがわき見運転により対向車と正面衝突した事故
・大型トラックがトンネル内で横転した車両に追突した事故
・コンテナセミトレーラが交差点で横転した事故
──などの要因分析を細かく紹介しています。
詳しくは国土交通省のwebサイトを参照してください。
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