山口県美祢市でトラック運転中にわき見が原因で正面衝突事故を起こし、5人を死傷させた運転者に対しても、2012年3月、自動車運転過失致死傷罪を適用して禁錮5年の実刑判決がありました。
──禁錮5年(山口地裁 2012年3月23日判決)
山口県美祢市で2011年2月、わき見運転による交通事故を起こし5人を死傷させたとして、自動車運転過失致死傷罪に問われた宇部市明神町の元トラック運転者(32)に対し、山口地裁は3月23日、禁錮5年(求刑・禁錮7年)の実刑判決を言い渡しました。
判決によると、被告の元トラック運転者は、2011年2月26日午後3時56分ごろ、美祢市美東町の県道で4トントラックを運転中、車内に散乱した書類などを拾うためにわき見したため、対向車線にはみ出して、軽ワゴン車と正面衝突しました。
この事故で軽ワゴン車は大破し、運転者の男性(当時70歳)と妻(66歳)・ 次女(34歳)の3人が死亡、男性の10歳と8歳の孫2人が重傷を負いました(一時2人は意識不明の重体)。
裁判官は、「無残な形で人生を終え、被害者3人の無念さは察するにあまりある」と指摘、「過失は極めて大きいが、深く反省している」と減刑の理由を述べ、被告は控訴しませんでした。
(2012年6月14日更新)
【民事訴訟】遺族が運輸会社などに1億8000万円を請求
※なお、この事故に関しては、被害者の女性親族らが事故を起こした元運転者(宇部市)と勤務していた運輸会社を相手取って、治療費や慰謝料など計約1億8千万円の損害賠償を求める民事訴訟を山口地裁に提訴しています(第1回口頭弁論は2012年5月17日)。
元運転者と運輸会社側は賠償の請求内容などで争う姿勢を見せており、民事裁判での争いが続きそうです。