来週は全国安全週間です。
7月1日から7日まで、それぞれ「●●安全点検の日」と名付けて、さまざまな安全性をチェックする事業所が多いようです。
梅雨明け前の雨が多い季節でもあり、日常点検整備が重要ですが、果たしてドライバーの点検意識は高い水準にあるでしょうか。
安全週間のなかに「車両安全点検の日」を1日設けて、ドライバーの点検意識を高めていきましょう。
あるトラック運送事業所では、5S活動の一環としてドライバー・グループでタイヤ点検に取り組んだ班があります。
事業所のトラック数十台のタイヤ空気圧をすべて調べたところ、大型車のタイヤで9気圧ないといけないところが、7気圧台のタイヤが5割近くあり、中にはパンクと判断できるほど空気圧が減った状態のタイヤもあり、驚ろかされました。
幸い、この企業は整備工場を持っているので、整備士がタイヤの空気圧をときどきチェック・補正していて、バースト事故などは発生していません。
しかし、問題はドライバーが日常点検をきちんとできていなかったことです。
ドライバーがさらに班活動をして調べる中で、5気圧程度に空気が抜けたタイヤなら点検ハンマーで叩くと音の違いに気づくものの、7気圧程度では9気圧と音の違いが少なく気づきにくいことがわかりました。
そこで、毎日のハンマー点検に加えて、月に1回定期的に機器による整備士の空気圧点検を行い、その際、ドライバーも立ち会うようにして、空気圧の減り具合を皆で確認するようにしました。
その後、タイヤの空気圧管理が進んで、燃費も向上したそうです。
タイヤ協会の調査(※)によると、一般のドライバーも「空気圧管理はエコドライブに結びつく」ということを知っているドライバーが多いものの、実際にはあまりチェックしていないという実態が明らかになっています。
タイヤ業界が推奨する「月に1回以上」の点検を行なっているドライバーは全体の4割弱(35.6%)に留まり、6割強の人は3か月以上など空気圧点検の頻度が足りていません。理由を問うと、点検を行っている人は「燃費に関わるから」とこまめに点検している一方で、点検が足りていない人では「めんどうだから」「よくわからないから」などの意見でした。
給油時であれば乗用車の無料空気圧点検をしてくれるガソリンスタンドも少なくありません。点検時に残り溝不足などに気づけば、スリップ事故防止にもなります。こまめな点検は、燃費改善だけでなく安全確保に結びつくことをアピールしましょう。
(※「タイヤの空気圧点検についての意識調査」日本自動車タイヤ協会:2012年4月)
毎日運行する営業マンの車やバス・トラックなど事業用自動車でも、高速道路でガス欠することがあるそうです。これは、「うっかり」では済まされない問題を含んでいます。安全意識・コスト意識がそれだけ低いからです。
ガス欠のため高速道路上で停止することは、非常に危険な行為です。路肩停止車両に、後続車が追突する事故が多発しています。
トラックに追突されて車両火災になり、乗員が焼死した悲惨な例もあります。
コスト面からみると、ガス欠のため高速道路で救援を呼ぶのに費用がかかることも意識していないのです。
また、燃料に無頓着なドライバーは、他の日常点検などもおざなりにしていると考えられます。
さらに運送事業者の場合は、インタンク(自社や協同組合の自家用給油設備)を持ち安価な燃料を仕入れて利用したり、専属業者と特価契約をしているケースも多いので、出発前に自前の燃料で満タンにするのが一番コスト的には安いはずです。
それを忘れて燃料チェックなしに出発し、高速道路に入ってから気づいて、慌てて高い料金のスタンドで給油しているのであれば、たとえガス欠にはならなくても、コスト面でプロ失格ということになります。
「ガス欠」ぐらいと軽く考えないで、高速道路などを走行する前には、ドライバー自身が最低限の点検チェックをする意識を育ててください。
「ブタと燃料」を合言葉に、せめて、
・ブ=ブレーキ
・タ=タイヤ
・ト=灯火(ライト)
・燃料 はチェックしましょう。
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