慣れというのは、怖いですね。
セルフ給油所に初めて入ったときには、胸がドキドキして、給油機に書かれた手順説明を真剣に読んで、静電気除去シートにもピッタリ手をつけて慎重に給油していたと思います。そんな人も、慣れてくると除去シートを省略したりよそ見をして給油することがあります。
最近はスタンドの給油レバーも金属製ではなく樹脂製になって、静電気スパークは発生しにくくなっていますが、念のため除去シートに触れておくことをおすすめします。
運転も同じことで、確認行動など省略してはいけない手順が決まっていますが、慣れてくると省きがちです。交通事故はこうした「省略」がもとで起こっているケースが非常に多いのです。
左折時の衝突事故なども、その多くは左側方の確認を怠ったことが原因で起こっています。では、なぜ確認を忘れたり省略したりするのでしょうか。
実は省いたつもりがなくて省略することがあります。たとえば、左折しようと交差点に接近していくとき、左折寸前まで何度も左側を見る習慣の身についたベテランドライバーも、信号が赤になり交差点で停止してしまうと安心してしまうことがあります。
交差点の先頭で青信号に変わったと同時に発進しようとした際に、左側方を確認する前にアクセルを踏んでしまい、信号待ちの間に死角に入っていたバイクと衝突!といった事故例があります。
運転に省略できる手順はありません。状況が変わったら、もう一度基本に戻って確認をするなど、手順を愚直に守る意識を持ちましょう。
(シンク出版㈱ 2012.10.1更新)
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