人間は誰でも、高齢になるにつれて基本的な心身能力が低下します。高齢ドライバーについて、さまざまな運転能力の低下が指摘されていますが、今日は反応時間や運転操作面の低下について、面白いデータがありますので紹介したいと思います。
科学警察研究所で調査したデータに、前車に追従走行中、前車の制動ランプが点灯してアクセルから足が離れるまでの「反応時間」と、アクセルから足が離れて減速を始めるまでの「空走時間」の関係を調べたものがあります。
それによると、高齢者以外のほとんど人は、反応時間と空走時間がだいたい2秒以内の範囲に収まっているのですが、高齢者のなかには、反応時間が3~4秒と長いのに空走時間が1秒と短い人や、その逆の反応時間が1秒以内と短いのに空走時間が2.5秒~3.5秒と長い人が少なからずいました。
反応時間が長くて空走時間が短いことは、前車の制動に気づくのが遅れて急ブレーキを踏んだことを示しています。また、反応時間が短くて空走時間が長いことは、あわてて反応したが急減速する必要がなかったということを示しています。
高齢ドライバーのこのような運転特性は、走行中に後続車から追突されやすいことを示しています。
高齢者マークをつけた車が前にいるときは、思わぬところで急ブレーキを踏むことを頭に入れて、車間距離を十分にとって追従しましょう。
(シンク出版株式会社 2012.11.21更新)
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