もうすぐ連休が始まりますが、昨年の連休中の4月29日に発生した関越道のバス事故では7人もの乗客の命が失われましたね。重傷を負ったため後遺障害で苦労している方もおられますし、刑事裁判や民事訴訟も係争中で、まだ事故は終わっていません。
この事故を風化させないために、事故の起こった原因をもう一度振り返っておくことは、私たち一人ひとりにとっても大切です。
衝突はドライバーの居眠運転が直接原因でしたが、その背景には連続運転時間などを軽視したバス会社や旅行会社の無理な運行管理がありました。また、監督官庁もツアーバス業界の規制に甘さがあり、多くの人間の甘い意識が招いたものと言えます。
事故を契機に高速バスへの規制が厳しくなり、トラックやタクシーなどの事業用自動車の事業所への監査なども強化されました。
事故を起こした会社の法令違反は非常に多岐にわたりましたので特殊とは言えますが、高速道路では甘い意識がこのような大事故に結びつくという意味で、すべてのドライバーにとって他人事ではありません。
連休には、遠方までレジャードライブに出かける方も多いかもしれませんが、無理な長時間運転には必ず「ツケ」がきます。家族や友人が早く目的地に行きたいとドライバーを急かすのも禁物です。
居眠りまでは至らなくても、一瞬の意識低下やボンヤリ運転は、誰でも可能性があります。そんなドライバーが増える時期であり、連休中はとくに危険です。できるだけ、早めにゆったりとした休憩をしてください。
サービスエリアには、景色がよく休憩所も綺麗に整備されたところが沢山ありますので、そうした場所でゆっくりとくつろぐのも、ドライブ旅行の楽しみと考えて、安全運転に努めてください。
(シンク出版株式会社 2013.4.25更新)
セルフチェックシリーズ「うっかり事故の危険度をチェックしよう」は、「わき見・漫然運転」をはじめとして「先急ぎ運転」「思い込み運転」によるうっかり事故の危険度を自分自身で知ることができる事故防止教育教材です。
自分がどのようなときに「うっかり」しやすいかを知ることができ、具体的な安全運転目標を立てることで、「うっかり事故」の防止をはかることができます。