私たちが日常的に目にする交通事故の死者は、交通事故が発生して「24時間以内」に死亡した人を対象としています。昨年の交通事故死者は4,411人で、5千人を下回っています。
ところが、この死者は交通事故が発生してから24時間以内に死亡した人だけを対象にしており、事故後1週間たってから死亡した人などは含まれていません。
最近は、医療技術も発達しており、24時間以上生存した後に死亡する人も結構いるのではないか、その数字はどうなっているのだろう、という疑問も湧いてきますよね。
わが国でも最近は、交通事故が発生した日から30日以内に死亡した人も「30日以内死者」として公表しています。
これによりますと、当然のことですが「30日以内死者」は「24時間死者」よりも多くなっています。平成24年の「24時間死者」は4,411人となっていますが、「30日以内死者」をみると5,237人となっており、約1.19倍多くなっています。
ここ数年、このような倍率で推移しており、「30日以内死者」は発表される死者数の約2割増しと考えておけばよいでしょう。
交通事故死者の実態としては、こちらの数字のほうが近いのではないかと思います。
年間の交通事故死者が5千人を切ったと喜んではいけません。実際の交通事故死者は5千人を超えていることを肝に銘じて、これまで以上に安全運転に徹してください。
(シンク出版株式会社 2013.5.10更新)
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