国土交通省はこのたび、通達を正式に改正して高速乗合バス・貸切バス運転者が1運行でワンマン運転できる距離を「夜間※は原則400kmまで」、「昼間は500kmまで」に制限することをバス事業者に通知しました(平成25年8月1日施行)。
これを超える場合は交替運転者が必要になります(※「夜間」とは運行が午前2~4時の深夜にかかる場合)。
2012年4月29日に発生した関越自動車道での高速ツアーバス事故を受けた居眠運転防止対策の一環ですが、すでに夜間高速ツアーバス、貸切バスに関しては2012年から実質的に実施されています。
今年7月をもって高速ツアーバスの営業を禁止し、旅行会社に7月末までに乗合バスの事業許可を取らせて、2013年8月以降は高速乗合バスに事業形態を1本化して運行させるため、通達を整備したものです。
なお、関越道事故の後、国土交通省が実施した高速バス運転者5千人へのアンケート結果によると、80%を超える運転者が連続運転に不安を感じる距離として「500km以上」をあげています。この結果を経て、これまで規制のなかった昼間にも上限を設けることになっています。
主な改正点は以下の通りです。詳しくは、下の通達(PDF)をダウンロードして確認してください。
【高速バスワンマン運行の 実車距離の上限】
改正前 時間帯にかかわらず1運行670km
改正後 夜間 原則1運行:400km(一定の条件を満たすと、500km)
昼間 原則1運行:500km(一定の条件を満たすと、600km)
【ワンマン運行の 夜間連続乗務回数】
改正前 とくになし
改正後 連続して4夜まで
(実車距離が400kmを超える場合 2夜まで)
【ワンマン運行の 連続運転時間】
改正前 連続運転時間は4時間まで(改善基準告示)
改正後 高速道路の実車運行区間で、概ね計画上2時間まで(昼夜とも)
●「高速ツアーバス」とは
旅行会社が高速道路を利用し2地点間の移動のみを主目的とする募集型企画旅行として貸切バス会社に委託して運行していました。
これが8月以降は禁止され、旅行会社は高速乗り合いバスの事業許可を平成25年7月末までに取る必要があります。
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■2018年6月1日改正の新指針に準拠
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2018年6月に公布された一般バス事業者のための指導監督指針11項目、貸切バス事業者向け2項目の指針計13項目に準拠し、教育記録簿用紙も添付しています。