前回に引き続き、運転時に危険を生む「死角」について考えてみたいと思います。前回は「自車ボディの作る死角」を取り上げました。
今回は駐停車車両など、「他車の作る死角」の危険と事故防止策を考えてみましょう。
駐停車車両のつくる死角でとくに気をつけたいのは、連続駐停車と大型自動車のつくる死角です。
何台も駐停車車両が続く場合は、死角の面積も広がりますし、それだけ歩行者や自転車などの横断場所も増えるということに注意する必要があります。
また、駐停車車両が左側に並んでいる場合、車の陰から顔を出してこちらを伺う歩行者の姿等は比較的発見しやすくなります。車の屋根の上に歩行者の頭が見えたり、床下に歩行者の足がのぞいていることもあります。しかし、道路右側の駐停車車両への注意は散漫になります。
とくに対向車線に車がいる場合は、対向車が通過した直後に死角から横断してくる歩行者の発見が遅れがちとなります。
さらに大型トラックなどが駐停車している場所でも注意しましょう。
乗用車であれば屋根の上に歩行者の頭などが見えるので、注意していれば歩行者の発見は比較的容易です。
しかし、大型車の場合は屋根上情報をとれません。
また、車体が前後に長い分、広い死角をつくるので、それだけ歩行者などが死角に隠れる時間が長くなることに気をつけてください。
交差点の付近に駐停車車両がある場合も、危険な死角を作りだします。
その交差点が比較的見通しがよくても、見通しの悪い交差点に変えてしまうことがあります。また、自車が駐停車を避けていく必要があると対向車線などに注意が向かうため、死角からの飛出しなどに対応するのが遅れがちとなります。
狭い道路の交差点などで駐停車車両がある場所では、見通しの悪い交差点を通過する場合と同じように、徐行あるいは一時停止して、安全確認をする習慣をつけましょう。
交差点の右折時には、対向直進車や対向車線の右折待ち車などがつくる死角にも注意しましょう。
とくに対向車が大型車の場合は、死角が大きくなります。
右折時に急いで右折しようという意識があると、対向直進車が通過した直後に速度をあげて右折してしまいがちですが、対向車の陰に隠れていた二輪車などと衝突する危険が高まります。
対向車が死角をつくる場所で右折する時には、見通しの悪い交差点で少しずづ車体を出して安全確認をするのと同じように、確実に確認できるまで右折しないようにすることが大切です。