以前、「下り坂が上り坂に見える」錯視について紹介しましたが、今回は運転席の高さによって、前方の路面が広く見えたりする錯覚について紹介します。
通常、乗用車に乗っている運転者の視点(アイポイント)は、地上から約1.2mの高さにあります。一方、中型トラックに乗っている運転者のアイポイントは、地上から約2mの高さにあります。
このアイポイントの高さの差が、路面の見え方の違いになって現れます。
トラックの運転席は、乗用車と比べて高い位置にあるために、ドライバーは上から見下ろすような形になり、乗用車に比べて前方の路面がよく見えるようになります。
そのため、前車との車間距離を長く感じ、知らず知らずのうちに前車との距離を詰めて走りがちになります。前車との車間距離が短くてもさほど危険だとは感じないのです。
トラックの場合、追突事故が多いのですが、その要因の一つとしてドライバーのアイポイントが高く、車間距離が詰めすぎる傾向があることがあげられています。
トラックに乗らない人でも、ワンボックスカーやSUVなど運転席の高い車に乗るときには、同じような錯覚がおきますので、意識して車間距離を取るようにしてください。
(シンク出版株式会社 2013.6.26更新)
トラック運転者として知っておかなければならない安全運転の基本知識をまとめたDVDです。
車の乗降りの仕方やハンドルの持ち方などを解説した「運転準備編」と、右折や左折などの運転中の注意ポイントをまとめた「運転実践編」で構成されており、全ての項目(30分)を一度に見ることもできますが、視聴したい項目(1~3分)を選んで見ることもできます。
それぞれの項目は質問形式となっていますので、視聴者は考えながら見ることができ、安全運転のポイントを理解していただくことができます。