皆さんの中に血圧が気になる方はおられますか?
血圧が高い方は、塩辛い物を食べ過ぎない、軽い運動を心がける、アルコールを飲み過ぎない、体重を減らす──など日常的に努力され降圧剤なども利用されていると思いますが、運転のときに血圧が急上昇する危険を意識していますか?
特に幅員の狭い場所でスピードを出したり、無理な追越しなどストレスの高い運転操作をするとき血圧が急上昇すると言われています。健康な人でも、高速走行時や追越しのときには、20ミリほど血圧が上昇しますが、ある実験では、最高血圧160ミリの人が221ミリに上昇するなど、大変に危険な状態になることが確認されています。
先日も三重県の高速道路で、観光バスのドライバー(44歳)が運転中に急な発作で意識を失い、結果として死亡する事故が発生しました。幸い異常に気づいた乗客が3人がかりでバスを停車させ、乗員31人は無事でした。
バスドライバーの死因は「急性大動脈解離」で、この疾患は主に高血圧症の人に突如発生する非常に危険な病気です。循環器疾患による突然死としては、心筋梗塞に次いで2番目に多いとされています。
発作としては突然の激しい胸や背中の痛みがありますが、まれに痛みの自覚症状が軽いこともあり、治療が遅れると死亡率が高いと言われています。
このバスドライバーの死因には、労働環境など他にも要因があるのかも知れませんが、いずれにせよ血圧が高い方は運転中に無理をしないで、高速道路でもなるべく走行車線を走行し、車間距離をとってノンビリと運転するように心がけてください。
(シンク出版株式会社 2013.07.08更新)
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各事例の右ページでは、垰田和史 滋賀医科大学准教授(医学博士)の監修のもと、日々気をつけなければならない健康管理のポイントをわかりやすく解説しています。
ドライバーが健康起因事故を防ぐために、健康管理の重要性を自覚することのできる小冊子です。
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