最近、交通事故のニュース報道で「事故発生時に車が横転して、乗員多数が重軽傷を負った」といった事故例をよくみかけます。
横転事故は車外放出などにも結びつきやすく乗員の被害が大きくなる傾向があります(右図)。このように危険な横転事故が発生するのはどういう原因が多いと思いますか?
まず、横転には車の重心の高さが関係すると言われています。
トラック・トレーラなど重心の高い車は不安定になりやすく、横転する危険性が高くなります。
なお、交通事故総合分析センターの調査によると、実際の横転事故ではトラックの他、ワンボックス車や軽乗用車でも横転事故が多発していることがわかっています。運転技量に問題があるための操作ミスなど様々な要因がからみあっています(※)。
運転操作による横転の危険で怖いのは、スピードを出しすぎていて、危険に気づいたときブレーキを踏むと同時にハンドルを切ってしまう状態です。急ブレーキと急ハンドルを同時操作すると、前輪を支点としてねじれの力が発生し、相撲で言う「うっちゃり」をかけたのと同じような力が車にかかります。
このため、車体が浮き上がって横転しやすくなるのです。
また、ハンドル操作だけで危険を避けようとして、スピードが出ている状態で縁石に片側の車輪を乗り上げたり、ポールやガードレールに車の側面が衝突した場合、車に横向きの大きな力がかかり横転する場合もあります。
状況にもよりますが、危険が発生した場合、まず減速して衝突の衝撃力を少なくする努力が必要です。その後にハンドル操作で避け得るときは、操作して避けることが望ましいのですが、必要以上にハンドルを切るとかえって横転の危険を招きます。
ですから、常に安全速度を守るとともに前車との車間距離を保って、緊急時の操作に余裕をもつことが大切です。
※イタルダ・インフォメーション№65「車両の横転事故」より
(シンク出版株式会社 2013.7.16更新)
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