わき見運転は、わずかな時間でも交通事故の危険がありますが、とくに夜間は、歩行者の死亡事故に結びつくことも多いので注意が必要です。
最近、ドライバーのわき見による歩行者事故が相次いでいます。
●タクシーを降りて横断しようとした
女性をトラックがはねる
8月25日夜11時すぎ、埼玉県久喜市の県道で、タクシーを降りて道路を渡ろうとしていた40歳の女性が、トラックにはねられて死亡しました。
トラックドライバーは「インターチェンジの案内板を見ていて、歩行者を見つけるのが遅れた」と供述しています。
●カーナビにわき見して交差点で横断者をはねる
8月28日深夜、埼玉県越谷市の県道交差点を歩いて横断していた63歳の男性が、直進してきた乗用車にはねられ、頭を強く打って死亡しました。ドライバーは「カーナビゲーションを見ていて、歩行者に気づくのが遅れた」と供述しています。
いずれも夜間の遅い時間帯ですので、ドライバーは歩行者などいないだろうと油断してわき見したものと思われますが、夜間はライトの照射外がほとんど見えませんので、危険の発見が衝突の直前となり、減速できずに死亡事故となる危険が大きくなっています。
昼間であれば、標識を見ようとしたときにも「歩道にいる歩行者が横断するかもしれない」などと予測して、わき見を思いとどまることが可能ですが、夜間は危険な対象自体が見えていないので予測しないことが多いのです。
とくに、道路右側から横断する歩行者の発見は遅れがちとなります。
夜間走行をする場合は、運転に必要な情報を見るために視線をそらすのも非常に危険であることを意識して、カーナビなども止まって確認する習慣をつけてください。
(シンク出版株式会社 2013.09.02更新)
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