リスクの評価を低く考えないこと

 ドライバーは、危険があると認識しているにも関わらず、敢えて危険な行動をすることがあります。たとえば、交差点手前で黄信号に変わって、自分が交差点に入る頃には完全に赤に変わっているような状況で、交差点に進入することがあります。

 なぜ、このような行動をとるのでしょうか。

 その背景としてはいろいろありますが、いちばん大きな要因としては、人間には「リスクを犯しても得られる効果のほうが大きい」と判断した場合には、リスク行動をとりやすい傾向があるということです。

 この場面で考えると、訪問先との約束の時間に遅れそうになっていたりすると、赤信号で止まって時間的にロスをするよりも、少々リスクを犯しても少しでも早く到着することを最優先に考えることが多いのです。

 また、リスクを回避することに時間がかかったりすると、できればリスクをとりたくないが、結果としてリスクをとってしまうということもあります。

 この場面でいうと、赤信号で停止してしまうと、信号待ちの時間が長くて待たされるという状況があるとしたら、無理をしてでも通過してしまおうと考えてしまうのです。いずれにしても、敢えて危険な行動をとろうとするときには、都合の悪いリスクは低く見積り、得られる効果を過大評価する傾向があります。

 そのため、大きなリスクがあるのに行動を起こして、事故になることが少なくありません。リスクを評価する場合には、得られる効果を考えないで、常に自分が考えている以上のリスクをあると考えて行動してください。

(シンク出版株式会社 2013.9.19更新)

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