昨年10月に兵庫県明石市で女性2人のバッグをひったくり、転倒、負傷させた犯人に対して、兵庫県公安委員会が運転者や同乗者に対して、運転免許の取消しや取得禁止処分を行った、という報道がありました。
平成21年の道路交通法改正によって、故意により車の運転で人を死傷させた場合、免許を取り消すことができるようになりましたが、今回の処分は、車を使ったひったくり行為で相手を負傷させたことが、故意に人を負傷させたと判断されたものです。
故意による事故は、酒酔い運転や危険運転致死傷罪にあたる行為などとともに「特定違反行為」として非常に厳しい処分が科せられています。
人を死亡させた場合には「運転殺人等」として違反点数が62点、人を負傷させた場合には「運転傷害等」として負傷の程度により違反点数が45~55点付加され、運転免許取消しになります。当然、それだけ運転免許を再取得できるまでの欠格期間も長くなります。
今回の事件の運転者の場合、ひったくりの「被害者が全治15日未満の負傷」(45点)が2件と救護義務違反(35点)1件の計125点の違反に問われ、運転免許取消し期間は、最長の10年間になりました。
同乗者2人については、運転免許証を持っていなかったために、運転者が重大違反をするのを助ける行為を行ったということで「救護義務違反そそのかし」違反で、欠格期間3年の処分となっています。3年間は運転免許を取得できません。「ひったくり」などの犯罪に車を使うのは、もってのほかです。
(シンク出版株式会社 2013.9.27更新)
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