交差点手前で、信号が青から黄色に変わったときに、そのまま交差点に進入していく人は少なくありません。
これは、黄信号の意味は「黄信号では停止位置を超えて進行してはならない」となっていますが、ただし書きで「停止位置に近接しているために安全に停止することができないときは、そのまま進むことができる」となっているために、運転者が「今ブレーキをかけても停止線で安全に止まれないから」と、自分勝手な判断をしている結果ではないかと思います。
しかし、このような運転を繰り返していると、いつかは黄信号から赤信号に変わっても、交差点に進入することに抵抗がなくなり、完全な信号無視をするようになります。
昨年7月、群馬県太田市の交差点で、大型トラックが信号を無視し、青信号で横断していた児童2人をはねて死傷させた事故がありましたが、この運転者も当初「赤信号に変わった時点で停止線で止まれないと判断し、交差点に進入した」と供述していました。
9月20日に前橋地裁で行われた判決では、信号交差点に時速約60キロで進入しており、赤信号を認識した時点ですぐにブレーキをかければ、「多少停止線をオーバーしても安全に止まることが十分可能だった」と指摘し、「赤信号にしたがう意思がなく、ことさらに無視した」として、危険運転致死傷罪の成立を認め、運転者に懲役6年の判決を言い渡しました。
交差点手前で黄信号に変わったときには、「止まれないから」と進入するのはやめましょう。
(シンク出版株式会社 2013.10.2更新)