サンルーフ付きの車は、1970年代後半に初めて登場しましたが、天井から採光が出来て開放的な空間が得られることから、高級車を中心に普及が進みました。
当初は、サンルーフからの眺めを味わってみたいということで、そこから子どもが頭を出して走行している車がたくさんいましたが、サンルーフから頭を出していると、急ブレーキを踏んだときに頭を打ったり、自動開閉のスイッチを誤って押して首を挟まれたり、街路樹などに当たったりする事故も多発しました。
そのため、運転者も同乗者も気をつけるようになり、最近ではあまり事故も聞かなかったのですが、さる9月30日山口県萩市でワンボックスカーのサンルーフから顔を出していた6歳の女の子が、JR線の高架下の表示板にぶつかり死亡するという事故が起きました。
現場の高架橋には「けた下高さ制限1・8m」の看板があり、実際の高さは1・97mで、車の高さは1・93mだったということです。
これを見ると、顔を出さなくてもギリギリでしか通過できない高さなのに、なぜ顔を出している子どもに注意をせずに通過したのだろうと疑問に思います。
運転していた母親は、いつも通っている道でさほど危険とは感じていなかったのかもしれませんが、運転者は左右への距離感覚は気になりますが、上方への意識は薄くなりがちです。
サンルーフから顔を出させたまま走行するのは、絶対にやめましょう。
(シンク出版株式会社 2013.10.07更新)
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