皆さんは、路面電車が停車する場所にある島状になった安全地帯はご存じだと思います。
では、安全地帯は何のためにあるか知っていますか。
これは、言うまでもなく、路面電車に乗降する人の安全を守るための施設です。
ですから、車のドライバーがこの安全地帯の側を通過するときには、歩行者の安全に配慮した運転が求められています。
道路交通法第71条第3号には、「車両等の運転者は、道路左側部分に設けられた安全地帯の側方を通過する場合、その安全地帯に歩行者がいるときは、徐行しなければならない」と定められており、歩行者がいるときには、徐行しなければなりません。
ところが、さる11月22日午後11時ごろ、富山市の県道で路面電車から降りて横断歩道を横断していた大学生が、左から来た車にはねられ、意識不明の重体となる事故がありました。
車を運転していたドライバーは、「前をよく見ていなかった」などと供述しているそうですが、安全地帯の側方を通過するのに、歩行者の安全を守るという意識がまったくない、ドライバーと言わざるを得ません。
安全地帯があるということは、そこには乗降客がいる可能性が高いということです。そういう場所では、法律に定められていなくても、徐行が当たり前のドライバーになりたいものです。
(シンク出版株式会社 2013.11.29更新)
セルフチェックシリーズ第6弾「運転における危険回避力をチェックしよう」は、運転におけるリスクテイキング(危険敢行性)を知ることで、交通事故防止をはかる参加型教育教材です。