マイクロメイト岡山㈱では、11月30日(土)にアルコールが運転や身体能力に与える影響を調査・研究する「飲酒実験」を実施しました。第8回目となる今回の実験に、シンク出版代表取締役の西村が参加させていただきました。
今回の実験は、午前11時から午後11までの約12時間をかけてマイクロメイト岡山の「交通安全まなびのば」で行われ、大学生や会社員の男女21名が参加しました。また、学術分析として川崎医療福祉大学の金光義弘特任教授、ドクターサポートとして岡山市民病院の小橋勇二氏が参加しました。
実験は、少量飲酒、中量飲酒、大量飲酒の3グループに分かれ、約3時間をかけてお酒を飲み、その後、約8時間をかけて飲酒が身体機能に与える影響を、各種機器を使用して収集しました。なお、今回の詳しい実験データは、来年度の日本交通心理学会で発表される予定です。
飲酒を行なう前に、参加者は身体のバランス機能、動体認知機能、視力検査などの身体機能のチェックを受けました。視力検査は、晴天時の視力だけでなく、曇り、雨、薄暮時、夜の5つの異なる場面での視力を測定しました。
また、今回の実験では、はじめて歩行者横断シミュレータ「わたりジョーズ君」が導入され、左右の安全の確認して横断する検査も行われました。
西村は中量飲酒グループに参加し、アルコール3単位(※)~最大5単位までのお酒を飲むことになりました。少量飲酒グループは3単位まで、大量飲酒グループは7単位までと飲酒量が定められています。
(※)アルコール1単位とは、純アルコール20gのこと。ビールの量に換算すると500mℓ。3単位は純アルコール60gとなり、ビールの量に換算すると、約1.5ℓ。
実験というと堅苦しいイメージがあるのですが、参加者がそれぞれ自己紹介を行なうなど、コミュニケーションをとりながら、楽しくお酒を飲むことができます。おでんなどの美味しい食べ物も用意されていますし、アルコールの種類も豊富ですので、普段と変わらない気分でお酒を飲む雰囲気が用意されています。
西村はまず、12:32分にビール(500mℓ)で乾杯した後、13:20分、13:48分、14:17分、14:47分に缶チューハイをオーダーし、15:10分まで、約2時間40分で5単位のお酒を飲みました。
他の参加者ともすっかり打ち解けていたので、本人は飲み足りない様子でしたが、中量飲酒グループに参加しているので、これ以上飲むことはできません。
飲み終えるとすぐに記入式の意識調査がおこなわれ、酔いの程度や、運転できる状態か否か、呼気検査の予想数値などを回答しました。
その後の呼気検査では0.56mg/ℓと高い数値が出て、0.3mg/ℓと予想していた自身の予想値を大幅に上回りました(0.15mg/ℓ以上で酒気帯び運転となる)。
30分後に行われたバランス検査では、大きくバランスを崩してしまい、また歩行シミュレーター「わたりジョーズ君」でも、横断中に車にひかれてしまいました。
また、本人の話では、飲酒後はとくに、動体認知や視力検査に飲酒の影響を強く感じ、細かいものを見るのが辛いとのことでした。
その後も1時間ごとに呼気検査、2時間ごとに尿検査が行われました。呼気検査の結果は、飲酒終了から30分後の15:44分に0.45mg/ℓ、16:13分に0.40mg/ℓ、17:13分に0.47mg/ℓ、18:13分に0.26mg/ℓ、19:13分に0.25mg/ℓ、20:13分に0.15mg/ℓ、21:13分に0.12mgとなりました。
途中、呼気中のアルコール濃度が上昇するようなこともありましたが、6時間たっても酒気帯び運転の数値に近い値が計測され、短時間ではアルコールが抜けないことがわかりました。
私は、平日は酒を飲みませんが週末には、だいたい実験で飲んだくらい飲んでいます。これぐらいだったら、さほど酔っている感じはしないのですが、改めて短時間ではアルコールが抜けないことを実感しました。
土曜日に酒を飲んでいて、日曜日の朝に車の運転をすることがありますが、これからは翌日朝早く運転するときには、前日の飲酒量を控え目にしたいと思います。実験を企画、運営されたスタッフの皆さん、本当にご苦労さまでした。
【第8回飲酒実験データ】
〈日時〉
平成25年11月30日(土)
〈場所〉
マイクロメイト岡山㈱交通安全まなびのば
〈主催〉
マイクロメイト岡山株式会社
岡山操山ライオンズクラブ
〈学術分析〉
川崎医療福祉大学 金光義弘特任教授
〈ドクターサポート〉
岡山市民病院 小橋勇二医師
〈実験統括〉
マイクロメイト岡山㈱ 木村憙從会長