今年は冬の寒さが早くやってきましたので、寒冷地のドライバーはスタッドレスタイヤに履き替えられていると思います。
スタッドレスタイヤの性能は、日々進化しているとは思いますが、それでも凍結路や雪道での制動距離は、乾燥路面と比べものにならないくらい長くなります。
ところが、最近のスタッドレスタイヤのテレビコマーシャルを見ていると、あたかも滑りやすい路面でもピタッとすぐに止まれるような印象を与えるものばかりです。メーカーとしては、制動距離の性能の向上をアピールしたいわけですから、当然このような映像を流すのだと思いますが、問題は使う人が勘違いしないことです。
当然のことながら、スタッドレスタイヤは万能ではありません。雪道や凍結道では、どんな性能のよいスタッドレスタイヤでも、タイヤチェーンを装着した車と同じようには止まれませんし、ましてや乾燥路面と同じようにはいきません。
それを、少々スピードを出していても、ピタッと止まれると思って運転していると、スリップしてとんでもない事故を起こすことになります。スタッドレスタイヤを装着していても、夏タイヤよりも少し安定して走行できる程度と考え、スピードを抑えて慎重な運転をお願いします。
(シンク出版株式会社 2013.12.18更新)
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