2月は寒気が日本全体をおおって日本海側だけでなく雪の少ない地域でも降雪・積雪を見る機会が多くなります。積雪・凍結の影響によるスリップ事故が起こりやすい時期ですので、引き続き冬型事故防止の指導を実施してください。
運行経路の選択や降雪による通行止め情報などの収集も必要です。
また、健康面では風邪・インフルエンザ等の感染症予防も重要ですが、そろそろ花粉症対策などにも着手しましょう。
■スリップ事故など
冬型事故を防ごう
2月は朝晩の気温が急激に下がるため、雪が降った後は凍結の危険があります。またうっすら霜がおりたような場所が凍結することもあります。とくに注意すべきポイントは以下のような場所です。
・橋の上、高架道路の上
・トンネルの出入り口
・交差点、踏切の手前(皆がブレーキを踏み
路面の雪がツルツルになる場所)
・川沿いの道、海沿いの道
・昼間でも日陰になりやすい場所
・崖水などが路面に降下し、側溝のない場所
くに、天気予報で寒波に注意を促したり、「水道管の破裂に気をつけましょう」などと言う日は、と「いつもの通勤路でも、場所によっては凍結しているかも知れない」といった警戒をすることが重要です。
■気象・道路情報等に気を配り、
運転者に指導しよう
雪道走行が予想される地域を運行させるときには、出発前の準備が大切です。下のようなチェックリストを作成して、携行品や運転装備の積載を確認してください。
また、出発する事務所の所在地が晴れていても、目的地の天気予報で雪であれば、詳細な道路情報を入手して、通行止めなどが発生していないか確認しておきましょう。出先で雪による通行止めにあっても慌てないように、代替経路などの指導もしておきます。
■運転者の体調観察を徹底しよう
寒い時期は体調を崩す運転者が増えますので、管理者としては、いつも以上に健康観察を徹底しましょう。
点呼・朝礼時はもちろん、出勤時のあいさつに対する反応などもよく見ておくことが大切です。
また風邪薬などを服用している従業員に対しては面談等を行い、運転への影響がないかを聞いいておく必要があります。
寒い時期に気をつけるべきなのは、最近増えている高血圧・糖尿病などの生活習慣病や、心臓・血管系の疾病を持った運転者です。
車内と外気温の温度差が多いので、身体にストレスがかかり、急激な血圧上昇や血管収縮による発作などを起こす危険もあります。気になる運転者に次のような指導をしてください。
・車外に出るときは暖かい上着を着用する
・寒い倉庫などでの作業は複数の人間で実施する
・手袋やカイロを装備し、身体を冷やし過ぎないようにする
・気分が悪いときには、無理をしないで連絡して休憩する。
■こまめな手洗いで風邪など感染症を予防しよう
風邪やインフルエンザ対策でもっとも重要な対策の一つは、手洗いです。
うがいや不織布(ふしょくふ)製マスクの使用効果的ですが、一般的な感染経路として多いのは、自分の手についたウイルスや細菌から経口感染することだと言われていますので、手洗いの励行を繰り返しアピールしてください。
また、アルコール製剤による手指の消毒もウイルス除去に効果がありますので、会社の玄関や倉庫の入り口などに設置しておきましょう。
■花粉症対策に着手しておこう
花粉症やアレルギー性鼻炎の患者数は人口の約4割とも言われ、重い症状が出て運転に支障をきたす人が増えています。
しかしよく効く花粉症薬のほか、薬によらない新しい治療法も開発されていて、早めの対処により重症化を防ぐことができますので、花粉症の人は2月から予防治療を始めると効果的です。
また、2月上旬から花粉の飛散予報なども始まります。情報をいち早く掴んで、マスクや鼻炎予防グッズなどの使用を促しましょう。
■車の登録、検査事務は早めに準備を
年度末に向けて、社有車の検査、新車登録事務が必要かどうか早目に調査し、手配・実施しておきましょう。3月は例年、運輸支局の検査・登録窓口が混雑を極めて非常に時間がかかります。また2月末日も金曜日なので車検事務は避けましょう。
とくに今年度は、消費税率アップを見越した新車の登録が殺到するとみられていますので、注意が必要です。
検査予約はインターネットでも可能です。
→ 自動車検査インターネット予約システム
→ 軽自動車の検査予約システム
■運輸安全マネジメント、点呼・指導体制の見直し
自動車運送事業の危機管理策として、監査を受けないような管理・指導対策が急務となっています。
すでに既報のとおり、今年1月から、悪質な道路交通法違反による重大事故の発生や悪質違反の下名・容認容疑がなくても、以下のような理由で運輸局の監査を受けることが現実化されてきました。
・理由1/「違反事業者のリスト化」がすすむ
国土交通省では、行政処分を実施した自動車運送事業者の違反状況を一元管理し、データによる悪質事業者のリスト化が進んでいます。
リストには役員名なども登録されているので、事業者名が違っても、処分事業者の役員が設立した別法人の運送事業者も優先的な監査の対象になります。
・理由2/適正化事業実施機関からの通報で監査を実施
交通事故や悪質な違反による公安委員会通報がない場合でも、適正化事業実施機関(貨物の場合はトラック協会など)の巡回指導などで、運行管理者が未選任などの違反が発覚すると、即時に運輸局通報され、監査の対象となります。
日 付 | 行 事 等 |
1日(土)
~28日(金) |
・省エネルギー月間──政府は、暖房や給湯で電気や石油などのエネルギー消費量が増える2月を「省エネルギー月間」と定め、省エネルギーの推進を呼びかけています。 |
1日(土)~
20日(木) |
・平成26年度「全国安全週間 スローガン募集」 ──募集期限平成26年2月20日(厚生労働省労働基準局安全衛生部) |
1日(土) | ・テレビ放送記念日──1953(昭和28)年のこの日、NHK東京放送局が日本初のテレビ本放送を開始しました。 |
2日(日) | ・交番設置記念日──1881(明治14)年のこの日、1つの警察署管内に7つの交番を設置することが定められました。その後、全国で「派出所」「駐在所」という名称に統一されましたが、「交番」という呼び名が定着し、国際的にもKOBANとして通用する言葉になっていることから、1994(平成6)年11月1日に「交番」を正式名称とすることになりました。 |
2日(日) | ・バスガールの日──1920(大正9)年、東京市街自動車の乗合バスに初めてバスガール(女車掌)が登場しました。初任給35円、当時としては破格の高給で話題になりました。 |
3日(月) | ・節分 |
4日(火) |
・立春、初午 |
5日(水) |
・笑顔の日──2(二)と5(コ)の語呂合わせで、いつもニコニコと笑顔になっていようという日。 |
11日(火) |
・建国記念の日 |
12日(水) |
・2月の製品安全点検日──経済産業省は、毎月第二火曜日を「製品安全点検日」として、製品の安全な使用法やリコール製品等について情報提供・注意喚起を行っています。 |
14日(金) | ・聖バレンタインデー |
17日(月) ~23日(日)
|
・アレルギー週間──(財)日本アレルギー協会が東京でのアレルギー週間中央講演会をはじめ、全国の支部で一般市民を対象に様々な啓蒙的催しを開催しています。 |
19日(水) |
・雨水 |
20日(木) |
・アレルギーの日──1995年のこの日、石坂公成・照子医師夫妻がIgE抗体を発見し、米国アレルギー学会で発表したのを記念して日本アレルギー協会が制定しました。 |
25日(火) |
・第10回 交通科学シンポジウム──日本交通科学学会主催 テーマ:運転者の体調変化による重大な交通事故死傷の発生実態 と効果的な予防対策の提言 日時:2月25日 10時~16時 於:損保会館大会議室(東京都千代田区神田淡路町) |
25日(火)~
28日(金) |
・2014産業安全対策シンポジウム(東京都港区・三田NNホール)──25日「事故事例から学ぶ事故の本質と安全対策」「従業員の能力発揮と職場活性化のためのメンタルヘルスケア」/26日「強靭な現場力を発揮するために」「安全装置の機能保全」/27日「ヒューマンエラー防止の取り組み(1)」/28日「安全組織を支える技術伝承と安全教育」など……詳しくは(社)日本能率協会のWEBサイトを参照してください。 |
2月上旬 |
・「平成26年 春の全国交通安全運動実施要項」の発表 |
2月下旬 |
・平成25年の労働災害の動向について(厚生労働省) |
2月下旬 |
・平成25年中の交通事故発生状況(警察庁) |
2月下旬 |
・平成25年賃金構造基本統計調査結果=賃金センサスの発表 (厚生労働省) |
2月下旬 |
・平成24年度分 自動車輸送統計調査の発表(国土交通省) ・平成25年2月分 自動車輸送統計調査 月報(国土交通省) |
■1月の管理ごよみ →
◆2月の日没時間(国立天文台天文情報センターによる)
1日(土) | 福岡 17:49 | 大阪 17:27 | 東京 17:08 |
15日(土) | 福岡 18:02 | 大阪 17:41 | 東京 17:22 |
28日(金) | 福岡 18:14 | 大阪 17:53 | 東京 17:35 |
★「おもいやりライト=早めの点灯」
運動に取り組みましょう!
2月ははまだ日が短く、雪が降ったり雨でしぐれる日の午後は、非常に周囲が見えにくくなります。
点灯が早すぎるということはありません。「おもいやりライト」の精神で早めのライト点灯を習慣にしましょう。
「おもいやりライト運動」は、夕暮れ時のヘッドライト早期点灯を ドライバーに呼びかけて交通事故を削減する運動です。横浜の運動事務局の呼びかけに呼応して全国で点灯活動を展開する動きが出ています。
※詳しくはおもいやりライトのサイトを参照してください