夜間、反対車線側から横断してくる歩行者は発見しにくく、事故に遭いやすいのはご存じのとおりです。この種の事故は、片側1車線道路など比較的車線が狭い道路で起こりやすいと思われがちですが、幅員が広い道路でも発生しているので注意が必要です。
さる1月9日午後6時20分ごろ、滋賀県甲賀市水口町の国道1号バイパスで、片側2車線道路を高齢者夫婦が横断中にトラックにはねられ死亡する事故が起きました。事故現場は、直線道路で信号機や横断歩道などはなく、トラックは追越車線を走行しており、2人が反対側車線から飛び出してきたということです。
夜間、片側2車線道路などの幅員が広い道路を走行しているときには、交差点や横断歩道などがないかぎり、ほとんどの人は反対車線側から横断してくる歩行者の存在を予測していません。しかも、交通量が多いとヘッドライトを下向きにしており、対向車のライトに照らされた状態では、横断してくる歩行者を発見するのは容易ではありません。
しかし、この事故例を見るまでもなく、横断者はどんなところでも横断してきますので油断禁物です。幅員が広い直線道路でも、対向車線側から横断してくる歩行者の存在を頭に入れて運転してください。
(シンク出版株式会社 2014.1.20更新)
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