走行中に停止や右左折のために車線変更をしたり、路肩に寄るために進路変更をする機会は多いと思います。そんなとき、しっかり安全確認することを心がけていますか?
「当然だろう」と言う人でも、急いでいたり、何かに気をとられていると、いい加減な後方確認のまま進路変更してしまうことがあります。このとき、後方に車などが来ていると接触事故が起こりやすいのですが、速度が出ていない場合には、それほど大事には至らないと軽く考えていないでしょうか。
しかし、軽い気持ちでした車線変更が、大事故につながることがあります。
さる1月31日午後7時半頃、川崎市にある片側2車線の市道で、客を拾おうとしたタクシーが中央寄り車線から歩道寄り車線に車線変更をしました。するとそこに、後方から来たバイクが接触、転倒してそのまま滑走し、道路脇歩道で父親と一緒にタクシーを待っていた男の子(6歳)に衝突、男の子は意識不明の重体となる事故が発生しました。
転倒・衝突したバイク運転者だけでなく、タクシー運転者も後方の安全確認を十分にしなかった疑いがあるとして、二人とも警察に現行犯逮捕されました。
タクシーが客を拾う前には安全確認をするのが鉄則のはずですが、実際にはこうした事故が少なくないのです。しかし、ベテランの無事故タクシードライバーになると、前後左右の状況を俯瞰図のように常に頭のなかに描いていて、安易に車線変更して後続車を驚かすことは絶対にないそうです。
皆さんも、友人などを車で迎えに行く時や、知らない道で施設などを探しているときには、進路変更先に注意を向けすぎないで、ミラーだけではなく、目視でも後方の状況を冷静に確認しましょう。
(シンク出版株式会社 2014.2.4更新)
軽い気持ちでした運転行動が、高い代償を生みます
安易な気持ちでする不安全な運転行動が、事故を誘発したり大きな過失責任へと結びつくことがあります。
小冊子「低い安全意識が高い事故の代償を生む」は6つの事故事例について、運転者の過失責任の割合を考えて回答する、受講者参加型の指導教材となっています。
自分の回答と解説を照らし合わせてみて「こんな運転行動をすると大きな過失責任を生む」といった危険をより深く理解することができます。