いくら安全運転をしていても、他の車が思わぬ行動をしたり、歩行者などが飛び出してきて、緊急避難的にブレーキを踏むことがあります。そのとき、タイヤの回転を瞬時に止めるフルロックブレーキを踏むことができるかどうかが、事故になるかどうかの分かれ道になることがあります。
以前、こんな経験をしたことがあります。
片側2車線のセンターラインよりの車線を走行していたとき、前方の左側車線を走行していた車が、少し左に寄ったので停止するものと思っていたら、突然Uターンをして来て目の前を通過しようとしました。
「衝突する!」と観念しましたが、思い切りフルロックブレーキを踏んだところ、寸前のところで衝突を回避できました。このとき、少しでもブレーキが踏み方が甘かったりして制動距離が延びていると、確実に事故になっていたと思われます。
しかしながら、タイヤの回転を瞬時にロックさせるフルロックブレーキを踏むのは、そう簡単なことではありません。急ブレーキを踏んでいるといっても、ほとんどの場合はすべてのタイヤの回転を止めるほどの強いブレーキではありませんので、そのぶん制動距離が延びているのです。
日頃から、意識してフルロックブレーキを踏めるように、空き地などで練習をしておきましょう。
(シンク出版株式会社 2014.3.11更新)
小冊子「見えない危険を読むイメージ力を高めよう」は、様々な危険要因が含まれた運転場面を6つ取り上げ、「見えている危険」だけでなく、「見えない危険」をイメージすることで、危険予測能力を高めることをねらいとしています。
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