先日、弊社の営業マンが交通事故を起こし、自転車の子どもにケガを負わせてしまいました。しかしながら、事故を起こしたときに子どもが「大丈夫だよ」といったので、営業マンは会社に報告をしていませんでした。
すると後日、保護者がカンカンに怒って「あんたの会社ひき逃げじゃないの!どう責任をとってくれるのよ!!」と会社に連絡をしてきたために、事故の全容を初めて知った次第です。
今回のことで懲りたのですが、交通事故の初期対応を円滑にすすめていくには、普段からどのようなことを心がけておくべきなのでしょうか?
交通事故が生じた時の初期対応は非常に重要です。対応の仕方によっては、助かるはずだった被害者の生死が左右されたり、けがの程度も変わったりすることがあります。
事故を起こした本人側にとっても、初期対応によって、刑事罰の軽重や、解決にかかる時間、賠償額が変わることが多いといえ、業務で運転を行うような会社においては、検討しておくべき課題です。
実際に交通事故を起こした時には、通常は気が動転して冷静に対応できないことも多いため、従業員に対しても事前に対応を確認しておくことが重要です。
まず、事故を起こした時にしなければならないこととして、法令上運転者の義務が定められています。
交通事故が発生した場合、運転者その他の乗務員は、直ちに車両等の運転を停止して、負傷者を救護し、道路における危険を防止する等必要な措置を講じなければなりません。すぐに警察官に対して事故の日時及び場所、死傷者の数、及び負傷者の負傷の程度、損壊した物及びその程度、車両等の積載物、同事故について講じた措置を報告しなければならないことになっています(道路交通法72条1項)。
同規程に反する行為には罰則の適用があるため(同法117条、117条の5、119条1項10号)、不用意に違反しないようにしなければなりません。とくに怖くなって逃げてしまったりすると、罪が重くなりますので、仮に自分に落ち度があっても逃亡や証拠隠滅等は絶対にしないように気をつけなければなりません。
また、警察官は、報告をした運転者に対し警察官が現場に到着するまで現場を去らないよう指示し(同条2項)、さらに負傷者を救護し、又は道路における危険を防止し、その他交通の安全と円滑を図るため必要な指示をすることがあるため(同条3項)運転者はそれに従わなければなりません。