5月は配属先が決定した新入社員などのマイカー通勤が始まる時期です。また、ゴールデンウィークを挟んでマイカーによるレジャー運転も盛んになります。
私用運転時における事故防止についても指導が重要です。
また、最近は高速道路上の本線車道で行楽ドライブの車が停止して事故を誘発するケースも増えています。
走行前の日常点検が重要であることをアピールするとともに、業務運転中はこうしたマイカーとの事故を起こすことがないよう指導を徹底しましょう。
■5月の安全運転目標
○通勤時やレジャー
運転時の事故防止
をはかろう
■5月の管理重点目標
○通勤経路の管理
○高速道路におけ
る事故防止指導
■5月の健康管理目標
○心身のバランス保
持に努めよう
■その他の管理・指導項目 → ■5月の管理ごよみ →
■通勤時の事故防止
新年度からマイカー通勤を始めた皆さん、通勤路の危険について意識しているでしょうか?生活道路などで通学中の児童などと通勤時のマイカーが関連する事故が多発し、社会問題になっています。
普段は安全に通勤しているつもりのドライバーも遅刻しそうになって急ぎの心理に陥ったときなど、一時停止を怠ったり安全確認が甘くなる危険があります。
また、学校近くでは通学時間帯だけ歩行者専用になっていて、自動車が進入禁止となっている場所もあります。
こうした道路にうっかり進入しないよう標識・標示に気をつけてください。違反して事故を起こした場合は大きな責任を問われますので注意しましょう。
【事故事例】
「遅刻しそうだから」と赤信号を無視して出会い頭衝突
2014年03月24日午前6時25分ごろ、神奈川県相模原市で、乗用車を運転していた54歳の男性が、「遅刻しそうになったので、赤信号とはわかっていたにもかかわらず」交差点を突っ切ろうとして、バイクと出会い頭に衝突し、バイクに乗っていた38歳の男性が死亡しました。
警察は乗用車の運転者を「故意に赤信号を無視した」疑いで逮捕し、危険運転致死罪の適用も検討されています。
■レジャー運転の事故防止
また、ゴールデンウィークには遠方へのドライブ旅行を予定している方も多いでしょうが、高速道路における交通死亡事故が増加傾向にあるので、高速走行の安全ポイントを再度確認しておいてください。
年々交通死亡事故は減少していますが、高速道路に限ってみると4年連続の増加となっています。高速道路の死亡事故でもっとも目立つのは、車両単独事故です。高速走行に慣れないドライバーの操作ミスや、疲労からくる居眠運転などが主な原因と考えられます。
このほか、交通事故総合分析センターの調査によると、発生件数は少なくても死亡事故率が高いのは、高速道路上における人対車両事故です。
車両単独事故や車両相互事故の後にときどき発生し、発生件数では全体の1.1%ですが、死亡事故に占める割合は10%を占めています。
(イタルダ・インフォメーション№103より)
高速道路の安全運転3つのポイント
【点検整備と装備確認】
●燃料など出発前に点検
●タイヤなど足回りを
チェック
●発炎筒、停止表示器材
の携行
【走行ルールを守る】
●追越車線を走り続けない
●左から追い越さない
●車間距離を保つ
●路肩を走らない
●駐停車しない
●逆走しない
【故障時・事故時の対応】
●できるだけ路肩に停止
●発炎筒・停止表示器材
を設置
●安全な道路外に避難
●速やかに110番連絡
※詳しくは政府広報「高速道路の安全運転3つのポイント」を参照して下さい。
■マイカー通勤時の交通事故を防ごう
マイカー通勤者のいる事業所では、通勤経路における危険を意識させるために、各自に通勤経路マップを提出させて、指導しましょう。
通勤経路マップには、
・見通しの悪い交差点
・通学の児童、生徒の多い場所
・歩行者、自転車などが飛出してきやすい場所
・すれ違いの難しい場所
・夕方に歩行者などが増える地点
・その他交通事故が実際に発生した場所
──などを記入させて、その場所における具体的な安全運転方法について、考えさせて記入させることが大切です。
■高速道路事故を防ぐ管理・指導を徹底しよう
事業所の管理者は、高速道路事故を防ぐための管理・指導を徹底しておきましょう。
高速道路上で停止した車への衝突事故などが多発している事情があります。
原因としては、追越車線に停止する車両側の責任もありますが、衝突する側の運転者の漫然運転、わき見運転、居眠運転や車間距離が足らないことによる追突事故が多いとされています。
管理のポイントとしては、運行計画を考える上で危険予測力を働かすことが重要です。レジャーの車が増えて混雑する道路を走行する時期には、運行スケジュールにも余裕が必要です。早めの休憩を指示して渋滞に入っても疲労が重ならないよう配慮するとともに、渋滞や混雑を回避する経路についても、想定させておきましょう。
また、高速道路でも停止車両や歩行者がいることを予測して運転するように繰り返し指導してください。
■心身のバランス保持に努めよう
安全運転を確保するための基本的な必要条件として、自分自身の健康が保持されているということがあげられます。
病気の管理や薬の副作用の影響を少なくすることはもちろん、心のバランスを保つことも極めて重要です。「5月病」などと言われ、新入社員や人事異動で環境の変化した人の心身が不安定になる時期ですので注意しましょう。
厚生労働省のWEBサイトにある「職場のメンタルヘルス事例」で、交通事故を繰り返した営業マンに「うつ病が隠れていた」というケースが紹介されています。
この営業マンは営業車運転中に追突事故を起こし、その後の3か月の間に3回も軽微な事故を起こしました。上司が、運転適性がないのではないかと産業医に相談したところ、メンタル不調によるアクシデントと診断されたという例です。
メンタルな問題は、職場に関連するものもあれば、私生活の悩みなどからくる場合もありますが、いずれにせよ、早めに上司や専門家に相談して、自分の心身の安定を確保する方法を探りましょう。私生活でリラックスする空間や趣味の時間などをもつことも大切です。上記の事例では、一時的な休業と業務に関する指導を経て、無事故ドライバーとして復帰できたということです。
【すべての安全運転管理担当者の皆さんへ】
自動車運転死傷行為処罰法を施行─2014年5月20日
昨年11月27日に公布された「自動車の運転により人を死傷させる行為への処罰に関する法律(自動車運転死傷行為処罰法)」が5月20日に施行されます。
この法律により、危険運転致死傷罪と自動車運転過失致死傷罪が一つにまとめられ、危険運転致死傷罪の適用の範囲が広がっています。
また、無免許運転で事故を起こした場合の量刑を加重するなど、危険・悪質運転への罰則が厳しくなります。
高速道路の逆走や歩行者天国での暴走行為、あるいは一定の病気の症状を自覚しながら運転して事故を起こした場合なども「危険運転」の適用範囲となり、懲役20年などの罪に問われることがあります。
「道路交通法」同様に運転者にとって重要な法律です。事業所でも概略を周知しておきましょう。
日 付 | 行 事 等 |
1日(木)~ 31日(土) |
・消費者月間──5月は「消費者月間」。事業者、行政が一体となって消費者問題に関する啓発・教育等の各種事業を集中的に行っています。消費者安全法に基づく報告義務のある重大事故は 消費者庁ホームページで毎週、公表されています。乗合バスやタクシーの乗客被害、自動車の火災なども含まれます。 |
1日(木) |
・メーデー |
3日(土) |
・憲法記念日 |
4日(日) |
・みどりの日 |
5日(月) |
・こどもの日 ・立夏──24節気の一つ。夏の気配が感じられるころ。 |
6日(火) |
・振替休日(「みどりの日」の振替) |
8日(金) |
・世界赤十字デー(World Red Cross Red Crescent Day) |
11日(日) |
・母の日──第2日曜日 |
13日(火) |
・5月の製品安全点検日──経済産業省は、毎月第二火曜日を「製品安全点検日」として、製品の安全な使用法やリコール製品等について情報提供・注意喚起を行っています。 |
20日(火) |
・自動車運転死傷行為処罰法 施行 |
21日(水)~ 23日(金) |
・自動車技術会 2014年春季大会/学術講演会 ・人とくるまのテクノロジー展 2014 ──於:パシフィコ横浜(横浜市西区みなとみらい1-1-1) ※詳しくは同会のWEBサイトを参照してください。 |
23日(金)~ 6月13日(金) |
・運行管理者試験(平成26年度第1回)の申請期間 ──インターネットによる申請は6月23日(月)まで ──試験日2014年8月24日(日) ──詳しくは、運行管理者試験センターwebを参照) |
31日(土) |
・世界禁煙デー ── 禁煙週間は6月6日木曜日まで。詳しくは厚生労働省のWEBサイトを参照してください。 |
5月中旬~ |
・自動車事故対策費補助金の募集──(国土交通省) |
5月中旬 |
・平成26年4月末までの交通事故発生状況(警察庁) |
5月下旬 |
・自動車運転死傷行為処罰法施行(26日までに施行予定) ・平成26年2月分 トラック輸送情報(国土交通省) |
■4月の管理ごよみ →
◆5月の日没時間(国立天文台天文情報センターによる)
1日(木) | 福岡 19:01 | 大阪 18:43 | 東京 18:27 |
15日(木) | 福岡 19:12 | 大阪 18:54 | 東京 18:39 |
30日(土) | 福岡 19:23 | 大阪 19:05 | 東京 18:51 |
★「おもいやりライト=早めの点灯」
運動に取り組みましょう!
早めの点灯は自分の安全だけでなく他者(他車)への思いやり。「おもいやりライト」の精神による早めのライト点灯で交通事故が減らせます。ぜひ習慣にしましょう。
「おもいやりライト運動」は、夕暮れ時のヘッドライト早期点灯を ドライバーに呼びかけて交通事故を削減する運動です。横浜の運動事務局の呼びかけに呼応して全国で点灯活動が展開されています。
※詳しくはおもいやりライトのサイトを参照してください
★「おもいやりライト」運動に賛同してWEBに紹介されました!
シンク出版編集部が、おもいやりライト運動事務局の取材を受けました!同会のサイトにこのときの記事が掲載されています。
※詳しくは、 → こちらを参照