最近、バスを中心に、運転中にドライバーが意識を失ったため交通事故が発生したというニュースをよく耳にします。3月3日に北陸自動車道のサービスエリアで発生したバスドライバーと乗客の死亡事故は、大きく報道されたので覚えている方も多いと思います。
つい最近も福岡市で、午後1時50分ごろ路線バスのドライバーが運転中に突然意識を失って対向車線にはみ出し、対向車と衝突する事故を起こしています。この事故では幸い死傷者は出ていませんが、やはりドライバーの病気が原因と推測されています。
バスの場合、乗客が巻き込まれるので大きく報道されますが、国土交通省の調査によると、ドライバーが意識を失ったり体調急変により事故を起こすケースは、トラックやタクシーでも多発し、死者数ではむしろバスを上回っています。職業ドライバーでは全体的に増加傾向にあり、とくに脳・心疾患の発作で深刻な事故が発生しています。
警察庁統計では、発作・急病による交通事故は1年間に平均286件(平成14~23年平均)で決して多くはないですが、死亡事故率が高いのが特徴です。約24%が脳・心疾患、約20%がてんかん、残りの56%は「その他」の様々な病気となっています。
職業ドライバーに限らず持病を持っている方や健康に不安のある方は、「車の運転ぐらい大丈夫だろう」と軽く考えずに、少しでも体調がおかしいと感じたら運転を控えて医師に相談するよう心がけてください。
(シンク出版株式会社 2014.5.21更新)
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