気温の高い日が増え、熱中症の心配をするような陽気になってきました。しかし、朝晩に冷え込むこともあり、日中との気温差が大きいので風邪をひく人もいるようです。
市販薬を飲んで何とかしのぐこともできそうですが、運転前に薬を飲むのは控えてください。
さる4月20日に、高速バスが名神高速道路の中央分離帯を突っ切って逆走した事故が発生しましたが、バス運転者は、インフルエンザで発熱していたにもかかわらず市販の風邪薬を飲んで運転を続け、もうろうとした状態に陥っていたことがわかっています。
風邪薬の副作用だけでなく高熱による症状もあったかもしれませんが、市販の風邪薬には抗ヒスタミン剤など眠くなる成分が含まれているので、甘くみるのは禁物です。
労働科学研究所の佐々木司研究部長らの調査によると、比較的眠気が少ないとされている第二世代の抗ヒスタミン剤であっても、昼食後などの時間帯に服用すると、薬を飲んで1時間程度で強い眠気を感じる恐れがあるので、自動車の運転は避けるべきだと報告されています。
抗ヒスタミン剤は、風邪薬だけでなく鼻炎薬などにも含まれていますので、運転前にこうした薬を飲むのは禁物です。やむを得ず服用した場合は運転まで十分な時間をあけるようにしましょう。
(シンク出版株式会社 2014.05.26)
小冊子「健康管理と安全運転」は、健康管理を徹底していなかったために発生したと思われる、重大事故等の6つの事例をマンガで紹介しています。
各事例の右頁では、垰田和史滋賀医科大学准教授(医学博士)の監修のもと、運転者が日々気をつけなければならない健康管理のポイントをわかりやすく解説しています。