昔からマニュアル車に乗っている人は、運転席に座らずに、外からスタータースイッチを廻してエンジンをかけた経験があると思います。もっとも、最近のMT車はクラッチスタートシステムを採用していますので、こうしたことができなくなっています。
外からエンジンをかけるとき、ギアがニュートラルに入っていればあまり問題はないのですが、バックや前進に入っていれば発進したりします。たいていの場合は発進してすぐにエンストを起こしてしまうのですが、そのまま暴走することもあるようです。
さる5月18日午後9時すぎ、福岡県田川市で露天商の男性(77歳)が、運転席の窓の外から軽ワゴン車のエンジンをかけたところ、突然動き出して暴走し、歩行者らを次々とはね11人が重軽傷を負う事故がありました。警察署では、車はマニュアル車でギアが入った状態でエンジンをかけたため、急に走り出した可能性があるとみて調べています。
AT車の場合には、チェンジレバーの位置が「P」か「N」で、ブレーキペダルを踏まないとエンジンがかかりませんので、こうした問題はないのですが、古いマニュアル車の場合はギアがどの位置にあってもエンジンがかかりますので、気軽に外からエンジンをかけないようにしてください。
外からエンジンをかけると、何かの調子に車が動き出したときにブレーキを踏むことができずに、車をコントロールできなくなります。きちんと運転席に座ってスタータースイッチを廻すことを徹底してください。
(シンク出版株式会社 2014.5.27更新)
小冊子「健康管理と安全運転」は、健康管理を徹底していなかったために発生したと思われる、重大事故等の6つの事例をマンガで紹介しています。
各事例の右頁では、垰田和史滋賀医科大学准教授(医学博士)の監修のもと、日々気を付けなければならない健康管理のポイントをわかりやすく解説しています。