電車の線路上部には架線が走っていますが、この架線にはどの程度の電気が流れているか知っていますか?JRの情報では、2万ボルトの電圧がかかっているということです。
通常は地上4.5m以上の高い場所にあるので、乗用車で走行している場合、架線に触れる心配はありませんが、もしトラックなどに臨時で高い荷物を積んでいたり、荷台が跳ね上がるダンプ、ユニッククレーンなどのついた車を走らせている場合は要注意です。
去る6月11日にも、埼玉県川越市の東武東上線踏切で、ユニック車(クレーン付きトラック)がアームを下げ忘れて踏切に進入してしまい、高さ5mに張られた架線に接触、ショートさせ荷台の廃材に引火して車が炎上する事故が起こりました。
運転者は炎上前に車外へ脱がれたので負傷者はいなかったものの、運が悪ければ死亡事故の恐れもありました。さらに、東武線の列車が約4時間30分に渡って不通となりました。運転者の容疑は「過失往来危険」ですから30万円以下の罰金刑に問われることになりますが、鉄道の不通による損害賠償請求にも苦しむことになるでしょう。
踏切を通過するときはつい前方を気にしがちですが、上方にも注意して進入する習慣をつけるよう心がけましょう。
(シンク出版株式会社 2014.6.19更新)
危険予測訓練ツール「見えない危険を読むイメージ力を高めよう」は、様々な危険要因が含まれた運転場面を6つ取り上げています。
それぞれの場面では、「見えている危険」だけでなく、「見えない危険」をイメージすることで、危険予測能力を高めることをねらいとしています。
さらに、危険を見落としやすい心理状態を考えることで、「心理的な落とし穴」にも気づくことができる内容になっています。