8月の運転管理 … 2014(平成26)年

過労運転、健康起因による事故を防ごう

 暑さや夏の疲れからくる過労運転に配慮すべき時期です。居眠運転や疲労による集中力の低下などが危険要因です。

 

 また、最近は持病発作など運転者の健康問題に起因する事故が多発し、社会問題化しています。自動車運転死傷行為処罰法の施行により、疾病が原因の事故でも「危険運転致死傷罪」が適用されることがあります。健康管理面の指導も徹底しましょう。

8月の安全運転目標
○高速道路における
 事故を防ごう
○レジャーの事故防止

8月の管理重点目標
○飲酒運転の根絶
○点呼、朝礼時の観察
 を重視しよう

8月の健康管理目標
○過労に配慮し、持病
 の発作などは早期の
 「気づき」が大切

 


安全運転管理

 

 ■その他の管理・指導項目事業用自動車) →       ■8月の管理ごよみ 

 

 

8月の安全運転目標

■高速道路事故、レジャー目的での事故を防ごう

 例年8月はレジャーや観光目的での運転が多く、警察庁の統計によると8月に発生した死亡事故に占める観光等目的の事故割合は16.3%あり、月別にみてもっとも高くなっています(少ない月では8%程度)。

 とくに、高速道路での比率が高く、8月は全死亡事故に占める観光目的事故の割合は33.3%になっています(少ない月は15%以下)。

 

※夏季に増加が目立つ交通事故の特徴と対策について(警察庁交通企画課)より

こんな事故が起こっています
大型トラックがガス欠で給油中の車両に追突し、1人が死亡

高松自動車道追突事故

 2013年8月28日午前10時40分ごろ、愛媛県四国中央市の高松自動車道上り線の路肩上で乗用車に給油していた緊急対応中の車に大型トラックが追突し、乗用車の近くにいた女性もはねられて死亡しました
 
 警察は、トラックの運転者(44)を自動車運転過失致死傷の疑いで現行犯逮捕しましたが、運転者は前をよく見ていなかったようです。

■事故の教訓
・停止車両の存在を予測──当事故では居眠運転の疑いもありますが、高速道路上に「停止車両はいない」と思い込むと油断が生じます。
 トラブルに見舞われた車がいるかもしれないと考えて、常に停止車両の存在を意識して運転することが重要です。

 

・走行前の点検、整備を励行──高速道路でのガス欠などによる路肩停止は大惨事を招く恐れがあります。高速走行前には「ブタと燃料」ぐらいは確認しましょう。

 

・路肩に留まらず安全な場所に避難──高速道路では路肩も安全とは言えないので、乗員は速やかにガードレールの外側などに避難しましょう。

■とくに以下の点検ポイントを押さえておきましょう

  レーキ   イヤ   ・火(ライト) ・燃料 

 頭文字を取って「ブタ と 燃料」チェックと覚えましょう

生活道路

■無理の無いドライブ計画を立てよう

 レジャー、観光目的のドライブは無理な運転を控え、サービスエリアなどでの休憩を多めにとってください。

  とくに高速道路や観光地では、渋滞などのため到着が遅くなる可能性を見積もり、余裕をもったスケジュールを立てましょう。

 

 また、家族・グループ旅行では、使用する車を運転できる免許証を持った人が複数同行し、疲れたときや眠くなったときには、早めに交替してください。

 

8月の管理重点目標

飲酒運転の根絶

■飲酒運転の根絶を図ろう!

 8月など夏場に増える事故としてもうひとつ、警察庁が統計のなかで強調しているのは、飲酒運転事故の増加です。飲酒事故そのものは7月に最大になりますが、飲酒事故の死亡・重傷事故率は、8月が最高になります

 

 とくに8月はお盆時期の飲酒運転事故が多発していますので、今一度、飲酒運転の根絶に向けて、「私用運転においても絶対にアルコールを摂取したときには運転しない」ことを徹底するよう管理・指導を強化してください。

※夏季に増加が目立つ交通事故の特徴と対策について(警察庁交通企画課)より

朝礼・点呼時の健康観察

■点呼・朝礼時の観察を重視しよう!

 暑い夏場には、睡眠不足や過労から運転に支障を生じる健康状態の人も増えると予測されますので、この時期の点呼時・朝礼時における体調などの観察はとくに重要です。

 また休み明けは、休日の深酒が抜けない酒気残り運転者がいる恐れがあります。酒気臭などにも気を配ってください。

 

 管理者も交替で夏休みなどに入り、なかなか運転者全員と顔を合わすことができなくなる時期であり、管理者の補助者を含めて、運転者の体調チェックが重要であることを再確認しておきましょう。

 

8月の健康管理目標

健康起因交通事故

■自分自身の体調把握に努めましょう

 運転者自身も、暑さによる過労などに配慮することが大切です。

 また、車のエアコンを使いすぎると夏風邪をひく人もありますが、風邪薬の服薬による眠気などにも注意しましょう。

 

 最近のように猛暑が続くと、高血圧症・糖尿病などの持病をもつ人にとってはさらにリスクの高い時期です。夏場は基礎代謝が冬場に比べて落ちるので、血流が悪くなったり体調が低下することが少なくありません。

 運転中に気分が悪くなることがないように、自己管理を徹底しましょう。

 

自覚がある場合、体調悪化事故にも厳罰の可能性  

 6月30日に大阪御堂筋で発生したワゴン車暴走事故では、大阪府警は「運転者が糖尿病による低血糖症で意識障害を起こした疑いがある」と判断し、「以前にも低血糖状態の経験があり、危険に陥る自覚があった」として新たに法制化された危険運転致死傷罪で摘発しています。

 病気を軽視して発作などにより事故を起こすと大きな罪に問われます。「持病の懸念」がある人は体調変化に早く気づくよう努めましょう。

運転者の熱中症

熱中症の予防を

 8月は先月に引き続き熱中症の危険があります。運転者は熱中症による事故の危険を意識しましょう。

 

 熱中症の危険を示す暑さ指数(正式にはWBGT=湿球黒球温度)は、環境省のインターネットWEBサイトまたはNHKのWEBニュースなどでリアルタイムに調べることができます。

 とくに、糖尿病、高血圧症、心疾患、腎疾患などに罹患している人は熱中症にかかりやすいと言われていますので、炎天下の運転や荷役作業には注意してください。

 

■その他の管理・指導項目

秋の全国交通安全運動
シンク出版・秋の交通安全運動ポスター

【すべての安全運転管理担当者の皆さんへ】

 

■秋の全国交通安全運動の準備

 来月は秋の全国交通安全運動(9月21日~30日)が行われますので、運動に向けての準備を進めましょう。

 

 運動の基本は「子供と高齢者の交通事故防止」です。

 全国重点項目は、

 (1) 夕暮れ時と夜間の歩行中・自転車乗用中の

   交通事故防止

 (2) 全ての座席のシートベルトとチャイルド

     シートの正しい着用の徹底

 (3) 飲酒運転の根絶

となっています。

 

 夕暮時は歩行者の横断事故、通勤・通学の自転車、バイクなどとの出会い頭事故などが多発します。運動期間中に配布する運転者向けの資料等について、準備しておく必要があります。

【事業用自動車の運行管理者の皆さんへ】

点呼未実施

臨時、スポットでの下請け採用に注意!

 8月の繁忙期を迎え、バス・トラックとも車や運転者の確保に頭を痛めておられる管理者が多いことと思いますが、繁忙期にスポットで依頼する下請け事業者の運行状況については、注意が必要です。

 

 普段からコミュニケーションがとれている下請け会社と違って、初めての依頼では、高速道路料金を支払っているのに地道を走行して長時間運転に陥ったり、勝手に運転者の判断で経路を変更してしまうケースもあります。

 忙しい時期の運行は、点呼未実施になる危険もありますので、必ず点呼時の指導内容、運行状態・経路の報告を受けるとともに、現場へのパトロールを強化しましょう。

街頭抜き打ち監査

サービスエリア等での抜き打ち監査(バス)

 今年8月、国土交通省は営業中の観光バスを空港・駅・サービスエリアなどで抜き打ち的に街頭監査をする方針です。

 バス運転者の過労や疾病原因による事故が相次いでいることから、夏の行楽シーズンである8月より、監督官が運転者から直接、乗務時間や運行計画を聞き取る街頭監査体制を強化し、全国で実施します。

 

 これまでも、バス会社に通告したうえでのバスターミナルにおける街頭監査は実施されていましたが、通告なしで営業中のバスを監査するのは初の試みです。

 観光バスを運行する事業所では、いつ運転者が監査にあっても大丈夫なように、点呼を徹底し、運行計画等にミスがないかチェックしましょう。

 

■8月の管理ごよみ ──2014年/平成26年──

日  付 行 事 等

1日(金)~

31日(日)

・「道路ふれあい月間」 

──国土交通省では、毎年8月を「道路ふれあい月間」として、道路の正しい利用や道路愛護活動の推進に努めています。

 推進標語入選作品「子や孫に つなげていきたい 道がある」

1日(金)

・水の日──水資源の大切さ、健全な水循環の重要性等についての理解と関心を深めることを目的に制定。1日を初日とする1週間は「水の週間」です。

1日(金)

夏の省エネ総点検の日

2日(土)~

3日(日)

・第47回二輪車安全運転全国大会──二輪車運転者の安全運転技能と交通マナーの向上を図ることにより、交通事故防止を目指す目的で全日本交通安全協会が主催し、都道府県大会の優勝者が全国大会で技を競います。於:鈴鹿サーキット。

6日(水)

第49回 交通安全子供自転車全国大会──児童・生徒の自転車事故防止活動の一環として全日本交通安全協会が主催。都道府県代表が安全運転を競い合います。於:東京ビッグサイト

7日(木)

・立秋

10日(日)

・道の日──大正9年の同日にわが国で最初の道路整備の長期計画がスタートしました。

10日(日)

・健康ハートの日──「ハー(8)ト(10)」の語呂合わせから日本心臓財団などが制定。夏の間に心と体のチェックをして、心臓病の多発する冬に備えましょう。

12日(火)

・8月の製品安全点検日──経済産業省は、毎月第二火曜日を「製品安全点検日」として、製品の安全な使用法やリコール製品等について情報提供・注意喚起を行っています。

19日(火)

バイクの日──政府の交通安全対策本部が二輪車の交通事故撲滅を目的に制定。この日を中心に、全国で二輪車の安全運転講習会等が展開されます。

20日(水)

・交通信号の日(設置記念日)──1931年のこの日、銀座尾張町の交差点(現在の銀座4丁目)・京橋交差点などに、日本初の3色灯自動信号機が設置されました。

23日(土)

・処暑

24日(日)

・平成26年度 第1回 運行管理者試験──詳しくは、(公財)運行管理者試験センターのWEBサイトまで

25日(月)~

31日(日)

・道路防災週間──道路防災に関する広報活動が行われ、道路施設・設備点検、防災訓練などを行います。

30日(土)
~9月5日

・防災週間──防災に関する対する知識を普及・啓発するとともに、防災行動へと結びつける取組みが全国各地で行われ、異常気象時における通行規制図などが自治体から配布されます。

   
8月中旬

・平成26年7月末における交通事故発生状況公表(警察庁)
平成26年上半期の交通死亡事故の特徴及び道路交通法違反取締状況について (警察庁)

下旬

自動車点検整備推進運動(9~10月実施)の広報(国交省)

 

 ◆8月の日没時間(国立天文台天文情報センターによる)

1日(金) 福岡 19:19 大阪 19:01 東京 18:46
15日(金) 福岡 19:05 大阪 18:47 東京 18:31
31日(日) 福岡 18:46 大阪 18:27 東京 18:11

★「おもいやりライト=早めの点灯
  運動に取り組みましょう!

 暦の上ではもう秋です。日が短くなりはじめていますので、早めの点灯を!自車の安全だけでなく他者(他車)への思いやりです。「おもいやりライト」点灯が交通事故が減らします。ぜひ習慣にしましょう。

 「おもいやりライト運動」は、夕暮れ時のヘッドライト早期点灯を ドライバーに呼びかけて交通事故を削減する運動です。横浜の運動事務局の呼びかけに呼応して全国で点灯活動が展開されています。


 ※詳しくは「おもいやりライト」のサイトを参照してください

 
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12月23日(月)

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