2014年4月から、貨物自動車運送事業法に関わる荷主勧告運用通達が改正されていることはご存じですか?
これまでの荷主勧告制度は勧告実績がなく、実効性に乏しいという批判があったので、荷主に対する勧告処分が強化されているのです。
運送事業者への監査などで、荷主の過積載・過労運転への関与などが判明すれば、以前のように「警告的内容の協力要請書」という書面の発出を前提としないで、荷主は即勧告を受けると同時に荷主会社名も公表されます。
この制度改正を踏まえて、運送事業者としては「積載重量などで問題があると、荷主さんにも即、迷惑がかかりますよ」とアドバイスするようにしましょう。
なお、今回の荷主勧告制度改正のもう一つのポイントは、勧告の対象となる運送事業者の違反が、今までは「過積載」「過労運転」「最高速度違反」の三大違反に限定されてきたものが、通達に「輸送の安全に係る違反であれば、荷主勧告の対象となる」と明記されたことです。
これは、たとえば、制限値を超える重量の特殊車両走行を申請するような場合は、誘導車の配置が必要となることがありますが、このような特殊なコストに対して荷主が難色を示したとき、「許可条件を逸脱すると荷主さんにも当局の追及があるかも知れない」と監査や勧告の懸念を主張できるということです。
実際にどのような違反を「輸送の安全に係る違反」とするかは、当局の判断次第ですが、重大事故が発生したときは、どのような違反であっても荷主の関与がある場合は責任を追及されると考えるべきでしょう。
運送事業者としても、改正の趣旨を踏まえて、荷主や元請会社の無理な要求に応じることなく、健全なパートナシップを構築するように努力しましょう。
【参考──国土交通省発行のリーフレット】
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