10月の運転管理 … 2014(平成26)年

■労働衛生週間に参加しましょう!

 10月には労働衛生週間が実施されます。

 運転者が安全で健康に業務ができるようサポートするのが、管理者の役割です。

 職場や車の整理・整頓を進めるとともに、健康診断結果の管理や適切な指導についても気を配って下さい。

 また、6月に施行された改正道路交通法の趣旨を踏まえて、車だけでなく、フォークリフトなどの運転資格者に対しても、健康上の理由で運転を停止すべき人がいないかチェックしましょう。

10月の安全運転目標
○「安全確認」を徹底
 
しましょう
 

10月の管理重点目標
○労働衛生週間の実施
○車内の整理・整頓の
 励行

10月の健康管理目標
○視力検査を行って
 正しい矯正を
○体力を増進しよう

 


安全運転管理

  ■その他の管理・指導項目 →      ■10月の管理ごよみ 

  

■10月の安全運転目標

安全確認を徹底しましょう

 今月は、安全確認の重要性を再認識しましょう。

 交通事故が発生したとき運転者がどんな違反行為をしたかをみた統計によると、事故がもっとも多い違反は「安全不確認」です。

 人身事故の30.6%が安全確認のミスであり、次いで「脇見運転」の16.8%、「動静不注視」11.4%、「漫然運転」7.9%、「運転操作」7.1%などとなっています。

 

 漫然運転や動静不注視も確認がちゃんとできていないと言えますから、運転行動のなかで「安全を確認すること」がいかに重要であるかがわかります。

安全確認をしないミス
平成25年中の違反別交通事故件数(第一当事者)より/交通統計25年版

■交差点、歩道、横断歩道はとくに注意

 安全確認は運転行動のあらゆる場面で必要ですが、とくに重要な場所としては、

 ○ 交差点(見通しの悪い交差点)を通過する前

 ○ 横断歩道を通過する前(右左折時を含む)

 ○ 歩道を横切るとき

があげられます。

 こうした場所では、車の側に徐行や一時停止の義務があります。きちんと停止、または徐行して、必ず左右を安全確認する姿勢をもちましょう。また、相手に停止義務がある場合も油断しないで確認することが大切です。

見通しの悪い交差点では、自転車などの飛出しを警戒して安全確認を念入りに!

横断歩道は赤信号でも横断する歩行者がいるので、必ず、左右を確認しましょう!

歩道を横切って道路に出入りするときも、歩行者・自転車の確認が重要です!



■10月の管理重点目標

■労働衛生週間の実施

 今月は、10月1日から7日にかけて全国労動衛生週間が実施されます。

 平成26年度のスローガンはみんなで進める職場の改善 心とからだの健康管理」です。

 

 近年はメンタルヘルス対策、過重労働対策、化学物質による健康障害防止対策、腰痛・熱中症予防対策、受動喫煙防止対策などが重視されていますが、クルマ等を管理する立場で気になることは、やはり運転中の体調悪化です。

 

 厚生労働省は、車だけでなくクレーンやフォークリフト、建設機械などを扱う労働者に対しても、以下の問題がないかをチェックするよう緊急通達を出しています。

■意識障害などの症状に注意!
 移動式クレーン、ドラグ・ショベルなどの建設機械、フォークリフトなどの運転には、十分な注意を払っていても、大きな事故につながる危険性が常にあります。労働安全衛生法に基づく免許証や技能講習修了証をお持ちの方で、意識障害などの自覚症状がある場合には、免許の返納や運転の自粛をご検討ください。事故を起こす前の決断が重要です(下記の表を参照)。

        ──厚生労働省・都道府県労働局・労働基準監督署──

check  意識障害などの症状の例
過去5年間に、病気(病気の治療中も含む)が原因で、または原因は明らかでないが、意識を失ったことがある。
過去5年間に、病気が原因で、身体の全部または一部が、一時的に思い通り動かせなくなったことがある。
過去5年間に、十分な睡眠時間を取っているにもかかわらず、日中、活動している最中に眠り込んでしまったことが、週3回以上ある。

過去1年間に、次のようなことがあった。

・飲酒を繰り返し、絶えず体内にアルコールが入っている状態を3日以上続け
 たことが3回以上ある。

・病気治療のため、医師から飲酒をやめるよう言われているにもかかわらず、
 飲酒したことが3回以上ある。

病気を理由に、医師から、運転免許の取得または運転を控えるよう言われている。

※このチェック表は、厚生労働省が「道路交通法施行規則 別記様式第12の2」を基に作成

わき見運転の恐れ

■車内の整理・整頓の励行

  車内の整理・整頓・清掃などを徹底しましょう。

 助手席に伝票や書類が雑然と置いてあったり、床に飲料などのペットボトルが転がっているような車内では、運転に集中できずに脇見運転に陥ったり、運転操作ミスを起こす危険があります。

 

 5S(整理・整頓・清掃・清潔・躾)が徹底している車に事故はないと言いますが、運転前に車の中を綺麗に整え、車体を磨く運転者は、落ち着いて運転に集中できます。

 逆に、車の整理をする時間もなく飛び出していく運転者は、心の余裕がなく危険に満ちています。

 

 なお、ゲーム機や携帯電話など、運転に不要なものが助手席に置いてある運転者にも指導しましょう。 

こんな事故が起こっています
車内の書類を取ろうとして脇見運転に陥り、正面衝突

山口県美祢市脇見正面衝突

 2011年2月26日午後3時56分ごろ、山口県美祢市の県道で4トントラックを運転中、車内に散乱した書類などを拾うために運転者が脇見をしたため、対向車線にはみ出して、軽ワゴン車と正面衝突しました。

 この事故で軽ワゴン車は大破し、運転者の男性(当時70歳)と妻(66歳)・ 次女(34歳)の3人が死亡、男性の10歳と8歳の孫2人が重傷を負いました(一時2人は意識不明の重体)。

 

 この事故の刑事裁判で、山口地裁の裁判官は、「無残な形で人生を終え、被害者3人の無念さは察するにあまりある」と指摘、運転者に禁錮5年(求刑・禁錮7年)の実刑判決を言い渡しました。(山口地裁 2012年3月23日判決)

 

■事故の教訓
・手が届く所に書類を置かない──事故運転者が脇見運転に陥った一因は、車内の書類です。書類や伝票類は運転の邪魔にならないようケースなどに入れて座席の下等に整理し、手の届く所には置かないようにしましょう。

■10月の健康管理目標

山口県美祢市脇見正面衝突

視力検査を行って正しい矯正をしよう

 10月10日は目の愛護デーです。今月は、目の健康を意識しましょう。

 運転にとって最も重要なのは視覚からの情報です。視覚については静止視力だけでなく、動体視力や視野などについても検査しておくことをおすすめします。

 動体視力は40代を過ぎると衰えが始まり、60歳を超えると急速に衰えます。中高年ドライバーは、視力の衰えを自覚し検査を行いましょう。

 また、夜間運転することの多いプロドライバーは夜間視力の衰えについても注意が必要です。

視力にあった眼鏡をかけることが重要。必要な人は運転用眼鏡や夜間運転用眼鏡なども用意しましょう。


■その他の管理・指導ポイント

【すべての安全運転管理担当者の皆さんへ】

■早めのライト点灯で交通事故削減を

 交通事故が一番多い時間帯は夕方の16時から18時の間です。

 10月には日の入りが早まるので、夕刻の時間帯にかけてはとくに歩行者や自転車の事故が多発することを意識してください。この時間帯は道路を横断する歩行者・自転車が多い一方で、急速に視認性が悪化することが影響しています。

 

 おもいやりライト運動事務局」が 行った『夕暮れ時の視認性について』の実験によると、黒っぽい色の服装は、日没15分前くらいから、急速に見えにくくなることがわかりました。一方、白・ 黄色などの服装は、日没時でもある程度見えやすさが確保されますが、日没前からライトを点灯することで、格段に発見しやすくなります。

 夕刻からの視認性悪化を指導し、早めのライト点灯の習慣をつけましょう。

図は、おもいやりライト運動事務局HP─「交通事故が一番多い時間帯は、夕方の16時~18時」より
図は、おもいやりライト運動事務局HP─「交通事故が一番多い時間帯は、夕方の16時~18時」より

■10月の管理ごよみ──2014年/平成26年──

日  付 行 事 等

1日(水)~

7日(火)

・「全国労働衛生週間」

 平成26年労働衛生週間スローガン

 「みんなで進める職場の改善 心とからだの健康管理」

  ※詳しくは、 中災防のホームページを参照してください。

1日(水)~

31日(金)

・自動車点検整備推進運動強化月間 ──9月~10月の2か月間は、国土交通省が点検・整備の重要性を呼びかけています。

日(火)

・盗難防止の日──(一社)日本損害保険協会が提唱。「盗(10)難(7)」からの語呂合わせで車両盗難や車上ねらい、住宅侵入盗などに対する防止策を呼びかけています。

日(水)

・寒露

日(木)

・トラックの日── 「トラック」の「ト(10)」と「ク(9)」を取って制定。各地のトラック協会でトラック輸送への理解を深め安全を推進する各種行事を開催しています。

日(木)

・第19回 全国トラック運送事業者大会──全日本トラック協会

 主催、全国のトラック運送事業者約1,500人が参加。

  於:福岡市 ヒルトン福岡シーホーク

 第1分科会 「トラック業界の交通安全対策の推進」

 第2分科会 「トラック業界の人材確保及び育成」

10日(金)

・目の愛護デー

11日(土)

・安全、安心なまちづくりの日──全国地域安全運動(毎年10月11日~20日)──地域社会における防犯活動の推進に向けた啓発活動を行います。

12日(日)

・石油機器点検の日──10月12日(とうユでいいふユ)のごろあわせ。石油機器の点検をしておきましょう。

13日(月)

・体育の日(祝日)

14日(火)

・10月の製品安全点検日──経済産業省は、毎月第二火曜日を「製品安全点検日」として、製品の安全な使用法やリコール製品等について情報提供・注意喚起を行っています。

17日(金)

・第17回 交通事故・調査分析研究発表会(ITARDA)──公益財団法人 交通事故総合分析センターの主催による、交通事故に関する各種調査・分析研究の成果発表。於:JA共済ビル カンファレンスホール。先着300名(参加費無料、事前登録制)

17日(金)~

23日(木)

・薬と健康の週間──医薬品を正しく使用することの大切さを訴える週間。運転をするときには薬の副作用などを意識し、正しく服用しましょう。

21日(火)

・あかりの日──1879年にトーマス・エジソンが日本・京都産の竹を使って白熱電球を完成させた日にちなみます。車のライトも点検を!

23日()~

29日(水)

高圧ガス保安活動促進週間──経済産業省などが高圧ガスの保安活動の促進を呼びかけます。 今年の標語

「見たはず、したはず、消したはず それでは事故も起きるはず」

 高圧ガス保管者は、点検・確認を徹底して高圧ガスによる災害を防ぎましょう。運送事業者は、タンクローリー、バラ積みトラック等における高圧ガス移動時の保安対策を進めましょう。

25日(土)~

27日(月)

・第46回全国トラックドライバー・コンテスト──主催:全日本トラック協会於:自動車安全運転センター 安全運転中央研修所
   

10月中旬

・平成26年9月末における交通事故発生状況公表(警察庁)

~12月中旬

・荷主等の事業場の荷役災害防止担当者への安全衛生教育講習会(陸災防各都道府県支部)

10下旬

・平成26年9月末の労働災害速報

 陸上貨物運送事業労働災害防止協会

 

 

 ◆10月の日没時間(国立天文台天文情報センターによる)

1日(水) 福岡 18:04 大阪 17:43 東京 17:26
15日(水) 福岡 17:45 大阪 17:24 東京 17:06
31日(金) 福岡 17:28 大阪 17:06 東京 16:47

★「おもいやりライト=早めの点灯
  運動に取り組みましょう!

 
秋は夜間事故の多発する時期です。早めの点灯を意識しましょう。たったそれだけの配慮で交通事故を減らすことができます。ぜひ習慣にしてください。

 「おもいやりライト運動」は、夕暮れ時のヘッドライト早期点灯を ドライバーに呼びかけて交通事故を削減する運動です。横浜の運動事務局の呼びかけに呼応して全国で点灯活動が展開されています。


 ※詳しくは「おもいやりライト」のサイトを参照してください

 
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11月25日(月)

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