最近、高速道路を走行していると、「故障車両近くの歩行者に注意」といった表示を見る機会が増えてきました。歩行者の死亡事故が多発しているからです。
ところで、高速道路上の歩行者と衝突してしまった場合、車側の過失割合はどの程度になるかご存知ですか?
歩行者が、突然本線車道上に現われ、はねてしまった場合の過失割合は、歩行者側80に対して車両側20が基本です。本線上に歩行者がいることを想定していないという前提で歩行者の過失が高い割合になっています。
しかし、故障車両や道路作業車両などがあり、その付近にいた歩行者をはねてしまった場合は、歩行者40に対して車60と、車側の過失の方が大きくなります。本線上に駐停車車両があれば、当然その近くに人がいることが予測されるからです。
さらに、歩行者側の過失修正要素として、故障車両の後方に停止表示器材が出してある場合は20%を減算し、歩行者20対車80となります。また車がスピード違反をしていた場合もさらに車の過失が加算されます。
高速道路を歩く行為は危険ですからやめてほしいものですが、絶対に人が歩いていないという保証はありません。死亡事故が多いので、とくに車両が止まっているときには注意してスピードをおさえて走行してください。
(シンク出版株式会社 2014.11.27更新)
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