マイクロメイト岡山㈱では、アルコールが運転や身体能力に与える影響を調査・研究する「飲酒実験」を毎年実施していますが、今回で第9回目となる実験に、当社の西村と山地が参加させていただきました。
今回の実験テーマは、少量飲酒でも運転に必要な諸機能にどのような影響を及ぼすかで、午前9時半から午後5時頃までマイクロメイト岡山の「交通安全まなびのば」で行われ、男性18名が参加しました。
また、学術分析として川崎医療福祉大学の金光義弘特任教授、ドクターサポートとして岡山市民病院の小橋勇二氏が参加しました。
今回の飲酒実験では、これまでとは少し趣きが変わり、2部制の実験となりました。
飲酒実験に参加した人は飲酒運転の怖さを自分自身の中だけに留めるのではなく、それを所属先や地域にも広める啓発活動を行っていただきたいということから、第1部では、金光先生から飲酒が及ぼす影響や飲酒運転の危険性などについて講義を受け、飲酒運転に関する知識を習得しました。
その後、当日配布された冊子「酒気残りによる飲酒運転を防ごう」(シンク出版刊)に掲載されているクイズ形式の「あなたの飲酒運転の知識をチェックしてみよう」を実施し、参加者全員が「飲酒運転撲滅隊」に任命されました。
第2部の飲酒実験を行う前に、参加者はアルコール検査、深視力検査、動体認知機能、運転操作検査などをチェックし、いよいよ実験開始となりました。。
西村は2単位(※)のグループに、山地は3単位のグループに入り、実験に参加しました。
実験は、2単位飲酒するグループと3単位飲酒するグループに分かれ、約2時間をかけてお酒を飲み、その後、呼気中アルコール濃度がゼロになるまで、飲酒が身体機能に与える影響を、各種機器を使用して調べました。
(※)アルコール1単位とは、純アルコール20gのこと。ビールの量に換算すると500mℓ。2単位は純アルコール40gとなり、ビールの量に換算すると、約1ℓ。
飲み終えるとすぐにアンケート調査が行われ、酔いの程度や、運転できる状態か否かなどを回答しました。2単位飲酒の西村は、飲み終えた時点で行った検査では、少し酔っていたのですが、ボロボロな感じではありませんでした。
2時間後に行った検査では酔いもかなり覚めているような感じがしていて、検査も結構スムーズに受けられたように感じました。
しかし、これは多分に感覚的なもので、呼気中には基準値以下ですが、アルコールが残っていました。
アルコールが残っているにもかかわらず、あまり酔いの自覚がないということが、「少し休んだら酔いが覚めた、運転しても大丈夫」という、酒気残りによる飲酒運転につながっていくのだなと、身をもって実感しました
3時間後には、西村の呼気中アルコール検査の数値はゼロになっていましたが、尿中にはアルコールが残っていたかもしれませんし、後日発表予定の検査結果をみるとアルコールの影響が出ているのかも知れません。
また、3単位を飲んだ山地は、呼気中のアルコール濃度がなかなか下がらず、深視力の検査などを受けている時も、飲む前に比べると少しフラフラするような状態でした。
なお、今回の詳しい実験データは、今年の6月に早稲田大学で行われる日本交通心理学会で発表される予定です。
今回で実験に参加させていただくのは3回目ですが、毎回おいしい食事とお酒を用意してくださるマイクロメイト岡山㈱の木村会長とスタッフの皆様に改めてお礼を申し上げます。
【第9回飲酒実験データ】
<日時>
平成27年1月17日(土)
<場所>
マイクロメイト岡山㈱交通安全まなびのば
<主催>
岡山操山ライオンズクラブ
マイクロメイト岡山株式会社
<協力>
川崎医療福祉大学臨床心理学科 金光義弘特任教授
岡山市民病院 小橋勇二医師