車を発進させるとき、いちいちどのような運転操作をしているかを考えている人はいませんよね。あたかもロボットのように無意識のうちに動いています。
このような過去の経験を通して形成された知識や枠組み、自動的プログラムを「スキーマ」と呼んでいますが、無意識に行うために失敗もあります。
たとえば、国産車に乗っている人が方向指示器が左についている外国の車に乗ったときには、慌てて車線変更をしようとして左のレバーを動かしたら、急にワイパーが動き出したという経験は多くの人が持っていると思います。
この程度のスキーマの失敗はまだよいのですが、ウインカーを出さずに交差点を曲がったり、運転中に携帯電話をするなどもっと危険なスキーマを持っている人もたくさんいます。車を運転し始めた頃は、安全運転スキーマを身につけていたはずですが、いつの間にか危険なスキーマを身につけているんですね。
運転を始めて早い段階で身につけた危険スキーマは、必ず将来事故につながっていくと言われています。自分の運転を振り返って、心当たりがある人は安全運転スキーマを身につけるようにしてください。
(シンク出版株式会社 2015.3.5更新)
小冊子「大丈夫?あなたの運転知識」は、勘違いしやすい交通ルールや、運転知識をQ&A形式でチェックし、正しい運転知識を身につけられる交通違反、交通事故防止のための教育教材です。
※監修
信田正美(元・岐阜県警察本部交通部管理官)