行楽の車が増えて、各地の道路で混雑し渋滞することも多くなってきました。
渋滞している車列の中にいるとき、停止と発進を繰り返していると、漫然と車を動かしてしまいがちです。しかし、発進時は常に車の前を確認する癖をつけておかないと、思わぬ事故に結びつきます。
さる4月18日午前10時ごろ、富山県高岡市の国道で渋滞の間を横断しようとした88歳の女性が、動き出した大型トラックにはねられ死亡しました。
現場はショッピングセンター前にある道路上で、横断歩道から数mしか離れていませんでしたが、この女性は、車が止まっているのに安心して最短距離を横断しようとしたと思われます。
大型トラックのドライバーは横断者がいることを予想していなかったので女性に気づいておらず、ボディの死角に入っていて見落としたようです。
もし、運転者が「ショッピングセンターへ歩行者が横断するかもしれない」と感じて、発進前にアンダーミラーを確認したり頭を動かして車の前を目視していれば、発見できたかも知れません。
大型車に限らず、少しでも車体の高い車は、車の直前にいる背の低い歩行者の姿を見落としがちになります。渋滞時は、「まさか」と思っても、歩行者が横断する可能性を念頭において確認を忘れないようにしましょう。
(シンク出版株式会社 2015.4.22更新)
本誌は、指導・監督の指針に沿った教育が効果的に実施できると好評の「運行管理者のためのドライバー教育ツールPart1・2」の続編です(平成29年3月改正指針に準拠)。
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